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中小企業オーナーは最強のおいしい職業なのか? 自由が利く、支出は会社の経費といわれるけど…

東洋経済オンライン / 2024年11月26日 9時20分

(写真:saki/PIXTA)

日本には法人企業が約360万社あり、300万人以上が社長をしています。働く人の実に20人に1人が経営者をしているわけですが、情報公開が少ない中小企業経営者の実態は謎に包まれています。

【図表を見る】中小企業に多い業種、1企業当たりの売り上げ高は?

世間では、中小企業経営者は「会社の金で外車を何台も買って、優雅に暮らしている」とも、「借金で首が回らず、明日の生活も確かでない」とも言われます。実際は、どうなのでしょうか。

不満があると言ったら罰が当たる

筆者は30年近く中小企業診断士をしていることから、全国の中小企業経営者を数多く知っています。中小企業経営者は実に多種多様ですが、オーナー経営者に限ると、以下の3タイプに分類できます。

① ウハウハ社長:会社の業績が良く、私生活でも羽振りが良い

② フツウの社長:業績が良くも悪くもなく、私生活も華美でも質素でもない

③ ダメダメ社長:業績が悪く、私生活も火の車

このうち、別世界の存在である①と③の実例を紹介しましょう。まず、①ウハウハ社長から。

持田正人さん(仮名)は、ゲーム関連企業を経営しています。30代後半に会社勤務を辞めて起業し、現在50代前半です。創業当初は倒産の危機に見舞われましたが、すっかり事業が軌道に乗り、近年、業績は絶好調です。

会社の運営は複数の幹部社員にほぼ任せており、持田さんが出勤するのは週3日くらい。出勤しない週2日は、「ちょっと人に言えない趣味」に使っています。

「社員には『お客さんと会う』と、家族には『週5日会社に通っている』と伝えています。まあ、社員も家族も薄々気づいているでしょうが(笑)」。

持田さんの年収は、約4000万円。上場企業の取締役と同程度です。ただ、車・家賃・外食・旅行などほとんどの支出が会社負担なので、収入の大半が手元に残ります。

「会社員時代もそこそこ高収入でしたが、貰った給料の中から支出するので、あまり財産は増えませんでした。財産形成したいなら、断然中小企業経営者です」。

現在の仕事や生活に対する満足度を持田さんに尋ねました。

「仕事を楽しんでいますし、私生活も充実しているし、経済的にも問題ないし。これで『不満がある』と言ったら、罰が当たりますよ(笑)」。

愚問でした……。

ダメダメ社長は廃業したくてもできず…

一方、対照的な③ダメダメ社長のケースではーー。

下野竜也さん(仮名)は、父親が創業した食品小売店を約20年前から経営しています。最盛期には4店舗を展開していましたが、大手チェーン店との競合などから業績は下り坂で、不採算店舗を順次店じまいした結果、現在は1店舗を残すのみです。

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