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中小企業オーナーは最強のおいしい職業なのか? 自由が利く、支出は会社の経費といわれるけど…

東洋経済オンライン / 2024年11月26日 9時20分

「現在年収は1500万円で、知人からは羨ましがられます。ただ、過去には実質ゼロということもありましたし、将来の保証は一切ないので、まったく気が休まりません。お金のことは常に気になって、日ごろの買い物でもついついケチってしまいます」(部品メーカー経営)

仕事に対して後ろ向き?

フツウの社長は、中小企業経営という仕事にやりがいや楽しさを感じているでしょうか。「たまにお客様から感謝の言葉をいただくと、経営者をしていてよかったと思います」(専門商社経営)という声もありましたが、否定的な意見が多く聞かれました。

「設計の仕事が好きで独立開業したので、最初は毎日がとても充実していました。しかし、受注の確保と従業員のマネジメントに疲弊するようになり、近年は仕事をしていて面白いとは感じません」(設計事務所経営)

「仕方なく親から後を継いだだけで、仕事をして充実感を感じたことはありません。そもそも人と接するのが苦手で、従業員の不満やお客様のクレームを聞くというのは、今でも苦痛です」(ホテル経営)

では、収入が不安定で、仕事のやりがいもないというなら、経営者の座を誰かに譲って自身は引退するか、会社員生活に戻るという選択は考えられないのでしょうか。

なぜ会社員には戻らないのか?

「3代続いてきた当社を発展させるという責務があります。ただ、今さら会社員に戻っても、使い物にならないということも自覚しています。中小企業経営者、とくに私のような跡取り息子は、実務に疎いし、高度なマネジメント能力があるわけでもないですし」(建設会社)

「最近M&Aがブームのようですが、買い手が現れるのは相当な優良企業でしょう。当社の経営状態では、とても無理です。といって、後を継いでくれそうな親族も従業員もいません。結局、私が死ぬまで社長を続けることになりそうです」(部品メーカー経営)

このように、③ダメダメ社長だけでなく②フツウの社長も、中小企業経営者という職業をネガティブに捉えています。①ウハウハ社長のSNS投稿を見て「俺も!」とはやるのではなく、自分の経営能力を冷静に評価する、リスクの小さい方法でスモールスタートする、という必要がありそうです。

日沖 健:経営コンサルタント

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