超展開ドラマ「ゼンケツ」はヒットの要素しかない SNSが沸きまくる"仕掛け"が散りばめられている
東洋経済オンライン / 2024年11月27日 14時0分
科学では解明できない超常現象や不可解な事件。それに挑んでいたのは、人間世界にそっと潜んで生きている神様たちだった――。
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藤原竜也主演『全領域異常解決室』(フジテレビ系、水曜22時〜)が回を追うごとに盛り上がりを見せている。タイトルが覚えにくいのが難点だが、略称は「ゼンケツ(全決)」だ。
神隠し、シャドーマン、狐憑き、タイムホール、不老不死の人魚など、超常現象や不可解な題材を扱っていて、一般的なミステリーや刑事ものと思って見ると戸惑うが、単なるオカルトミステリーともまた違い、ひと捻りもふた捻りも工夫が凝らされている。
※以下、ネタバレを含みますので、読み進める際にはご注意ください。
SNSが沸いた“超展開”
警察内で世界最古の捜査機関とされる特殊な部署・全領域異常解決室(全欠 ゼンケツ)に突如、配属になった雨野小夢(広瀬アリス)は、室長代理の興玉雅(藤原竜也)らと連続神隠し事件を追う。
衣服だけ残して肉体だけがこつ然と消えてしまう怪事件の犯人はヒルコと呼ばれ、社会的にも話題になっていた。古事記に記された伝説の異端の神・ヒルコは現代に本当に存在するのか。
捜査が進展していくにつれ、捜査に関わる者たちが、実は古事記の時代から転生を続けている神だったとわかる。
「僕も神です」と興玉雅がカミングアウトした第6話はSNSが異常な盛り上がりを見せた。さらに第6〜7話では、小夢も神であったことがわかる。
「僕も神です」に続く小夢の「私も神なんですね」というセリフにまたしてもSNSは沸いた。
小夢こそ数カ月前、神隠し事件に巻き込まれ、神としての記憶を失っていたのである。しかもゼンケツの室長だった。
興玉は「太田神」や「興玉神」という猿田毘古神(サルタビコノカミ)と関係の深い神様で、小夢は、天宇受亮命(アメノウズメノミコト)が転生した人物だ。
ほかに猿田毘古神(迫田孝也)そのものや豊玉毘売命(トヨタマビメノミコト〈福本莉子〉)、宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ〈小日向文世〉)、大国主命(オオクニヌシノミコト〈吉田鋼太郎〉)、月読命(ツクヨミノミコト〈石田ひかり〉)など神様がいっぱい。
日本神話に詳しい人ならどんな神様なのかすぐわかるだろうが、詳しくないと誰が誰やらさっぱりわからないし、名前すら読めない。タイトルといい、とっつきにくい言葉が頻発するのがこのドラマの挑戦的なところ(遊び心)である。ちなみにゼンケツは神社の敷地内にある。
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