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「森且行」SMAP脱退→"日本一"→ケガ、続く挑戦 「一生車いす生活になるかも」と診断された

東洋経済オンライン / 2024年11月29日 9時0分

2024年秋、森の体にはまだ下半身の50%に感覚がない部分が残っている。普段の歩行には問題はないが、運転や慣れない場所では足に装具が欠かせない。それでも現実に屈せず、挑戦を続ける理由をこう語る。

「オートレース以外に自信がないんです。走ることが僕の唯一の自信。それ以外にできることがないからこそ、もう一度日本一の舞台に立ちたい。体にはたくさんの爆弾を抱えていますが、一走一走を全力で楽しみ、あの舞台に戻れるよう努力を続けています」

メンバーカラーに込めた思い

そんな森の不屈の闘志と挑戦し続ける姿を描いた『オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版』が、11月29日より全国で公開される。

冒頭から「いつ死んでもいい」という覚悟を抱えながら、再び日本一の頂点を目指す森。その強い決意を支えるのは、かつてのSMAPでの経験だという。

「SMAPでの経験は、僕にとって本当にかけがえのない宝物です。あの頃、限界まで体を酷使していた日々が、今の僕を支えている」

かつて1日に日本武道館で6公演という過酷なスケジュールをこなしていたとき、ファンの歓声はすべての疲れを吹き飛ばしてくれたが、それを乗り越えられたのは、間違いなく「5人の仲間との強い絆」があったからだ。

その絆は、復帰戦に臨んだ際にも、森を支えていた。彼のヘルメットには、SMAP5人のメンバーカラーがデザインされ、その中心には、森自身のカラーである白が光っていた。

「その星を見ると、自然と勇気が湧いてくるんです。あの色を見るたびに、みんなが背中を押してくれているような気がして。あの頃の思い出が今も僕の力になっている。

今ではみんながそれぞれの場所で活躍している。だから、僕も自分の道をしっかりと進んでいきたい。またいつか会える。そのときまで僕は走り続ける」

40代、50代に送るメッセージ

50代にして再び「日本一を目指す」という決意を胸に、森は今日も全力でアクセルをひねり続けている。トップアイドルの座を捨てて、その頂点に立つ日を夢見て、挑戦をやめることはない。その姿は、年齢を重ねてもなお、若々しさと充実感を放つ。

「美容ですか? まったくやっていません(笑)」と森は笑う。しかし、その若さの裏には、代謝を上げるための岩盤浴やサウナ、野菜中心の食生活といった徹底した習慣がある。「僕にはこれが合っています」。シンプルながらもストイックなルールが、50代を迎えた今も高いパフォーマンスを支える秘訣だ。

40代や50代と年齢を重ねる中で、年齢を理由に誰しもが挑戦を諦めそうになる瞬間に直面する。

しかし、森はその壁を越え、夢を追い続ける道を歩み続けている。

「僕はただ、自分の好きなことを続けているだけです。オートレースを通してこうした生き方を選びましたが、他にもいろんな生き方があると思いますよ」と穏やかに語る。

「何歳になっても、夢を追いかけることはできる」

森の生きざまは、挑戦に年齢の制限がないことを教え、人生に立ち向かう勇気を私たちに与えてくれる。

池田 鉄平:ライター・編集者

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