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東京23区なのに「無人駅」ある街で見た驚きの光景 足立区最大のパワースポット「大師前」を歩く

東洋経済オンライン / 2024年11月30日 9時20分

「寺と住宅ばかりで、わりとぶっきらぼうな街だけど、日暮里・舎人ライナーに乗れば、数分で舎人公園に行けるんですよ。

四季折々の植物が植わっているから、季節を感じるには最高の公園です。陸上競技場やテニスコートも完備しているから、休日には若者や家族連れがたくさん来る。私も散歩がてら時々行きますね。

あとね、ここらへんは大師様の目が光っているから、犯罪も少ないんだよ(笑)。いろんな意味で、住みやすい街だと思いますよ」

調べてみると、たしかに犯罪の数は少ない。

比べるのは大変失礼なのだが、東武線の近場、竹ノ塚駅のある足立区竹の塚6丁目では「自転車盗:31件。万引き:11件。置引き:1件。部品ねらい:1件。その他:25件」となる。

こちらも繁華街にしては大した数ではないが、大師前に比べると、やはり少しだけ多い。大師前の住民が語る「大師様の目が光っているから」というのも、あながち外れてはいないのかもしれない。

仏教の街でパン屋を開いた理由

歴史のある西新井大師が鎮座する街だが、北に少し歩いて環七北通りまで行けば、マンションも立ち並ぶ。その地で長くベーカリーを営む方に話を聞くことができた。

店の屋号は「フレンドベーカリー(足立区西新井2-2-5)」。この地に店を構えて、約半世紀の歴史を持つ老舗だ。

店主の中田浩吉さんは今年81歳になる現役のパン職人である。作業中にもかかわらず、快くインタビューに応じてくれた。

「もとは浅草で縫製工場をやっていたんだけど、こっちに土地を見つけたんで、思い切って移ったんですよ。まずは玩具店をやっていた。その後に、仲間がパン屋をやるというので、興味を持って、そこから修行してね。昭和52年(1977年)にパン屋を始めた。そこからずっと続けてるんですよ」

今では地域になくてはならない店のひとつとなっている。

「以前はこのあたりにも、八百屋とか魚屋があったんだけど、あちこちに大きなスーパーができてね。小さな小売店は、跡継ぎもいないから閉めちゃった。うちはなんとかやっていけてるけどね」

どこも時代の流れには逆らえないようだ。

写真が趣味という中田さんは、大師前に移ってからすぐの頃に、店の前の通りを撮影した写真を店内に展示している。

「街そのものは古いけど、このあたりの団地は、後から移り住んできた人が多い。そうした人たち同士で仲良くしてね。気を遣いあって生きている感じだね。古くから住んでいる人たちとの交流も盛んだし、落ち着いた、いい街ですよ」(中田さん)

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