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石破首相は地方創生でなく地方止血をやるべきだ 政策当局者の「大局観」は完全に間違っている

東洋経済オンライン / 2024年11月30日 8時30分

今回は、教育に絞って議論したいので、医療と介護は乱暴なアイデアだけ示しておく。

医療は、義務的勤務を最終的な医師免許交付の条件とする。つまり、インターン後、国で指定する各地域の基幹病院に3年間の勤務を義務付ける。赴任地も診療科も希望は出せるが、第1希望が実現するとは限らない。徴兵制ならぬ徴医師制だ。まあ実現しないだろうが。

しかし、これに近い考え方はありうると思う。もはや地方の医療崩壊は起きているどころが、それが常態となっている。医師を増やし、看護師およびそのほかのスタッフは、国からの補助で給与水準を底上げする。医療も人手が必要だ。このような政策をとれば、仕事と人材も地方にとどまる、若干増える可能性もある。

介護は、徹底して、地方での介護を優遇する政策を打ち出す。もともと介護はコスト構造を含め、地方が有利なポジションにある。足りないのは人手、介護を嫌がらない人材である。

しかし、今後は、日本全体でも仕事不足になる。大都市でもそうなる。現在は人手不足で騒いでいるが、AI、ロボットで、仕事不足になる。二極化する。永遠の人手不足の専門職と、仕事不足の一般職だ。介護は21世紀には最重要の職業であり、もっとも人手が必要な産業である。

介護しか仕事がないのではなく、介護こそ最重要であり、最優先の職業であり、多くの地域で一定規模の運営、繁栄が可能だ。汎用性が高い。介護を地域の中心の産業とし、現在よりも倍増させることで、地域経済は介護産業を中心に回るところが増えていくだろう。

現時点では、介護しか仕事がない、と言われる。だが、今後は日本全体で見て、介護は専門職を除けば、もっとも安定して、相対的に給与水準も高い、就職希望者の多い産業となるだろう。大都市には介護の仕事はなく、地方にはある。仕事のために地方に移住する、そういう時代が来る。

医療と介護、この二つの分野は、もっと専門的な議論ができる人々に教えてもらって、私も今後ともずっと勉強していきたい。

教育が充実すれば人は離れず、集まるインセンティブに

さて、教育である。

教育の何が素晴らしいか。教育はほとんどすべての人にとって最重要であると同時に、一定数の人にとっては、居住地を決める最重要要素であるからだ。地域の教育が充実すれば、その地域を出ていくインセンティブが減る。他の地域から来るインセンティブが生まれる。

自然に恵まれ、素晴らしく伸び伸びとした教育の小学校。同じく中学校。地元に居続けることは素晴らしいし、育児もしやすい。そして、環境に惹かれて、大都市部からも、その地域に縁のある家族が戻ってくる可能性もある。仕事がない、と思うかもしれないが、教育産業とは、人により成り立っている。

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