"内定辞退"を防ぐ「オヤカク」に不可欠なツール 自社の情報を「事前に提供」することが大切
東洋経済オンライン / 2024年12月2日 14時0分
就活生が就職先を検討するにあたっては、「両親」の意見を最も参考にするともいわれます。新卒採用で企業が学生に内定を出すにあたり、保護者の確認を取る「オヤカク」の重要性が高まっています。そこで、オヤカクの手順と、保護者向けの会社案内(パンフレット)の作成方法について解説します。『企業実務』の記事を再構成し、株式会社人材研究所ディレクターの安藤健さんが解説します。
なぜ「オヤカク」が必要なのか
2025年卒・2026年卒の就活生を対象にしたアンケート調査(図表1)で、就職先の企業を検討する際、意見やアドバイスを最も重視したい人の1位は「親(父親・母親)」でした。
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また同調査において、就活が本格化した時期に相談している・相談したい人の1位も同じく「親(父親・母親)」でした。
このことから、保護者は学生のキャリア選択に最も大きな影響を与える存在であるとわかります。
採用側においても、近年の候補者フォローの基本戦略として、「本人の意思決定に大きな影響を与えている人を探り、その人が気にしているネック(不安)を解消しないと、学生は内定承諾をしてくれない」といわれています。
つまり、入社の意思決定は多くの場合、本人だけの問題ではないということです。
特に新卒採用では、「親を制するものは子を制す」ともいわれており、いまや親へのアプローチは必須ともいえます。
また、中小企業は一般的に知名度が低いため、保護者が安心して子を送り出せるように、企業の信頼性や働き方の魅力をわかりやすく伝えることが求められます。
こうした観点からも、オヤカク(親への確認)の重要性が高まっているといえるのです。
親は子のキャリア選択に保守的
オヤカクに取り組む前に、対象者である親世代が、子のキャリア選択において何を重視しているのかを理解することが大切です。
昨今では、ブラック企業に対する警戒や職場のハラスメント意識などが高まり、リベラル・フェア・ダイバーシティといった価値観が定着しています。
そのなかで、わが子にできるだけ公正かつ安心・安全な職場で働いてもらいたいと願うのが親心でしょう。
また、これは時代を問わず共通ですが、基本的に親は子に対して、本人よりも保守的です。これはもちろん、自分にとって子が大切な存在だからです。
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