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"内定辞退"を防ぐ「オヤカク」に不可欠なツール 自社の情報を「事前に提供」することが大切

東洋経済オンライン / 2024年12月2日 14時0分

定量的な実績と具体的な事例で伝えるのがポイントです。

たとえば「育休復帰率は98.5%」「新卒5年目従業員の年収は550万円」「課長職の平均年齢は38.5歳」といったように、実績と数字で語ることが重要です。

(4)親が抱きやすい不安とカウンタートーク

親の立場を考えたとき、どのような不安を抱くのか想像することが大切です。従業員のなかには、就活生の親と同世代の人もいるでしょうから、社内でアンケートを取ってもよいかもしれません。

パンフレット上では、見やすいようにFAQ形式で示すとよいでしょう(図表4)。実際の会話を想定したFAQなので、平易な言葉で表現しても問題ありません。

パンフレットが親の手に届くタイミング

パンフレットが親の手に渡るべきタイミングは、内定後ではなく、最終面接の手前あたりからがちょうどよいでしょう(図表5)。

そもそも、内定を出してから学生本人やその親を口説き始めるのでは遅いのです。内定を出した後に「実は、親が反対していまして……」といわれては、どんな返しをしても時すでに遅しです。

それを踏まえると、オヤカクを始める(パンフレットを親元に届ける)ベストなタイミングは、選考プロセス中に学生と一定の信頼関係を築くことができ、学生の志望度が高まっている段階です。

最終面接にまで選考が進んでいる企業であれば、学生本人も志望度が相対的に高まっているはずなので、親に自然と会社の話をしたり、パンフレットも渡しやすくなったりします。そこで、以下のように学生に尋ねてみてください。

・就活についてご両親には相談していますか?
・ご両親には弊社のことを話しましたか?

ここで「御社のことは何も話していないです」といわれたら、志望度がまだ低い状態ともいえますので、「では1度、お話ししてみてください」と、パンフレットを渡しながらお願いしてみましょう。

企業側の丁寧なオヤカクは、学生の内定辞退率を低下させるとともに、学生が入社を決断する際には、親による大きな後押しにも繋がる可能性があります。

学生の内定辞退に悩んだ経験のある企業は、本稿を参考にオヤカクに取り組んでみてください。

安藤 健(あんどう けん)*公式サイトはこちら
株式会社人材研究所ディレクター。日本ビジネス心理学会上級マスター資格。LEGO SERIOUS PLAYトレーニング修了認定LSPファシリテーター。組織・人事に関わる人のためのオンラインコミュニティー『人事心理塾』代表。2016年に人事・採用支援などを手掛ける人材研究所へ入社し、2018年から現職。これまで数多くの組織人事コンサルティングプロジェクトや大手企業での新卒・中途採用の外部面接業務に従事。著書に『誰でも履修履歴と学び方から強みが見つかる あたらしい「自己分析」の教科書』(日本実業出版社)ほか。

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