RX-9にタイプR…DB12と見たスポーツカーの未来 2000GTから今に至るまで変わらない普遍の意義
東洋経済オンライン / 2024年12月2日 10時0分
イギリスのスーパーツアラー、アストンマーティン「DB12」にじっくり乗って「スポーツカーの未来」について深く考えさせられた。ドライバーとクルマとの一体感が、秀逸なのだ。
心臓部は、排気量4.0リッターのV8ターボ。最高出力は680馬力にものぼるが、存在が強烈過ぎることはなく、実に心地いい。ハンドリングは、「手に馴染む」という表現が似合う。
そしてなにより、走っていて実に楽しい。「もっと遠くまで走っていきたい」と、素直に思う。
3000万円級という新車価格だけで見れば、フェラーリやランボルギーニといった、いわゆるスーパーカーやハイパーカーの部類に属するように思われがちだが、アストンマーティンには「スポーツカーとしての純粋さ」を感じる。
ただし、アストンマーティンがこうした高いレベルの商品を安定供給できるようになったのは、近年になってからだ。
「魅せる」スポーツカー
同社の歴史を紐解けば、経営母体が何度も変わるというまさに紆余曲折。そして今、新経営体制のもとでデザインと運動性能に関する技術が集約し、アストンマーティンとしてのあるべき姿に結実した。
試乗中に驚いたのが、「周囲の目」だ。特に都内を走行した際に、老若男女を問わずDB12を目で追う人が、少なくなかった。
伝統的なブリティッシュ・レーシンググリーンを限定的に表現した外装色「インデッセントエメラルド」を纏う、大胆なボディフォルムが人を魅了するのだろう。DB12に限らず、アストンマーティンというブランドは今、広義においてスポーツカーのベンチマークであると改めて感じる試乗体験であった。
【写真】過去~現在~未来のスポーツカーの姿
DB12を体験する3週間ほど前、日本のスポーツカーの未来を考える場面があった。岡山国際サーキットで開催された、スーパー耐久シリーズ第6戦でのことだ。
コース上では、日産「フェアレディZ(Z35)」「GT-R(R35)」、トヨタ「GRスープラ」「GRヤリス」、ホンダ「シビック タイプR」、スバル「WRX S4」、そしてマツダ「ロードスター」など、日本を代表するスポーツカーが疾走している。
スーパー耐久は、プライベーターから自動車メーカー本社直轄のワークスチームまで、さまざまなチームやメンバーが、それぞれの目的を達成するべく参戦する耐久レースである。
現在のスーパー耐久では、プライベーターにとっては各種クラスでのベストフィニッシュ、自動車メーカーチームは、カーボンニュートラルに向けた次世代技術の量産化が目的だ。
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