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RX-9にタイプR…DB12と見たスポーツカーの未来 2000GTから今に至るまで変わらない普遍の意義

東洋経済オンライン / 2024年12月2日 10時0分

別の視点では、旧車やネオクラシック、あるいはヤングタイマーと呼ばれる少し古い日本製スポーツカーの高付加価値化がある。海外では、コレクタブルと呼ばれる領域だ。

中でも、ワイルドスピード初期を回顧するような1990~2000年代のトレンドがアメリカを中心にあり、R32、R33、R34の歴代スカイラインGT-Rや三菱「ランサーエボリューション」シリーズ、スバル「インプレッサWRX STI」などの海外流出が進んだ。今も、こうした車種の中古車が高額となっているのは、その影響である。

RX-9ほか「日本のスポーツカー」のこれから

最後に、日系スポーツカー(スポーティモデル)での注目点をいくつか挙げたい。

まず、自動車メディア各社が報じている、トヨタGRによる各種新型モデルだ。ハイブリッドやプラグインハイブリッド、さらにEVによって、GRブランドの価値を次のステージに引き上げる可能性が考えられる。

次にマツダの、いわゆる「RX-9」だ。

デザインのイメージは、コンセプトモデル「ICONIC SP (アイコニック エスピー)」。パワーユニットは、「MX−30 R-EV」で量産化した新型ロータリーエンジン「8C」を2基使う、ツインローターを発電機とするEVを想定する。

マツダ社内では、2024年2月にRE(ロータリーエンジン)開発グループを再結成したことに加えて、電動化事業本部(通称e-MAZDA)を300人体制(11月時点)で整えている。

直近でマツダ幹部らと意見交換する中で、ICONIC SPをイメージした次世代スポーツカー量産の可能性を否定する声は少ない。現実となる可能性が期待できそうだ。

スポーツカーはシンボルであり続ける

ホンダの次世代EV「ゼロシリーズ」でも、いわゆる「タイプR」の設定に期待がかかる。三部敏宏社長は、常々「EVの特性を考えればスポーティなハイパフォーマンスモデルの設定はありうる」と主張してきた。

先日、栃木県内で実施されたゼロシリーズに関連した技術説明会の場で、SUVタイプの試作車に試乗する機会があったが、量産化が確定している「サルーン」はもとより、タイプRを名乗るにふさわしいスポーツEV登場への期待が高まったことをお伝えしていく。

では、日産はどうか。残念ながら、時期「GT-R」についての言及は今のところない。

2024年度上期決算に関して厳しい内容の報道が目立つが、内田誠社長がいう事業転換「ターンアラウンド」の中で、ユーザーだけでなく販売店、そして社員を含む日産関係者にとっても「将来に向けた指針のひとつ」として、次期GT-Rの方向性を早期に示すことを求めずにはいられない。

スポーツカーは、多様なモデルを生産する大手自動車メーカーにとっても、自社ブランドのシンボルであり続けるべきであり、その魅力がユーザーにしっかりと伝わるべきだ。時代は変わっても、スポーツカーの存在意義は大きい。

【写真】ハコスカGT-RからアストンマーティンDB12までスポーツカー今昔

桃田 健史:ジャーナリスト

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