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RX-9にタイプR…DB12と見たスポーツカーの未来 2000GTから今に至るまで変わらない普遍の意義

東洋経済オンライン / 2024年12月2日 10時0分

とはいえ、アメリカ当局も黙ってはいない。チューニングカーに対する厳しい対応をしたことで、アメリカでの日系チューニングカーブームも、あっという間に収束してしまう。

そうした経緯を当時、筆者はアメリカで詳しくみてきた。ワイルドスピード・シリーズでは、その後、当初の日系チューニングカー・ドキュメンタリーといったタッチから、アメ車主体の空想バトル物へとシフトしていく。

同じころ、ヨーロッパでは高級車をハイパフォーマンス化する独自ブランドで、異変が起こる。

独立系チューニングメーカーだったAMGが、メルセデス・ベンツ(当時ダイムラー)のインハウス(内製化)となったことをきっかけに、独立系の御三家と言われたブラバス/ロリンザー/カールソンが日米欧、そして中近東で注目が集まる。この時期、ドイツ各地を飛び回り各種チューニング系メルセデスを取材した。

あわせて、BMWの「M」、フォルクスワーゲンの「R」、そしてキャデラックの「V」といった社内パフォーマンスブランドが事業拡大していく。モデルとしては、アメリカでブームとなっていたSUVのスポーティ化が目立つようになり、スポーツカーとSUVを融合させた「クロスオーバーSUV」という表現が登場する。

また、こうした欧米系ブランドの変化が、日系メーカーにおけるプレミアムブランド、レクサス/アキュラ/インフィニティのモデル強化を後押しした。

東京オートサロンがトレンド発信拠点に

さらに、ボディパーツやホイール、排気系(マフラー)などを小改良する、いわゆるライトチューニングと呼ばれる領域も広まり、トヨタを筆頭に日系メーカーも参入。それらのお披露目の場として、自動車メーカーは「一線を引いてきた」東京オートサロンに積極参加するようになる。

東京エキサイティングカーショーに端を発する東京オートサロンが、近年チューニングカーショーから、アウトドアも含めた自動車トレンドの発信拠点に変化しているのは、ご存じのとおりだ。

再び海外に目を戻すと、超高級車ブランドでスポーティなSUVのトレンドが広がった。

スポーツSUVの発端は2002年に登場したポルシェ「カイエン」だが、2010年代に入るとベントレー「ベンテイガ」誕生をきっかけに、ロールス・ロイス「カリナン」、ランボルギーニ「ウルス」、アストンマーティン「DBX」、そしてフェラーリ「プロサングエ」という流れを生む。

そのほか、マクラーレンやアストンマーティンなどでは、F1(フォーミュラ1世界選手権)参戦チーム(ブランド)による、次世代スポーツカーの開発も進んだ。

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