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若者に忘年会の幹事を任せた方がいい3つの理由 幹事で身につくビジネススキルを整理してみた

東洋経済オンライン / 2024年12月2日 7時50分

さて実際に若手に幹事を任せる場合、次の3点をアドバイスしてはどうか。ダンドリ力をアップさせることを目的にして書いてみた。

(1)事前準備を徹底する

先述したとおり、ダンドリ力を身につけるには「タスク:やるべきこと」を明確にしなければならない。

そのためにまずは全体のプロジェクトを階層化し、やるべきタスクを洗い出していく。大中小のプロジェクトと、それらを構成するタスクを具体的にイメージさせよう。そうすることで、必要なリソースも見えてくる。

忘年会の幹事を引き受けたら、メンバーを募集するタイミングや予算調整、店の選定など、複数のタスクをリスト化する。

そのうえでいつまでに何をやるべきかを決めていく。特に年末は飲食店も混み合うため、早めの準備開始が必要だ。1カ月前から動き出すようアドバイスしよう。

(2)キーパーソンを押さえる

日程調整は、まず部長や課長など、キーパーソンの予定を押さえることから始める。彼らの予定が決まれば、他のメンバーも予定を合わせやすくなる。ただし、ここで注意すべきは、必ずしも上位者を優先すればいいわけではないということだ。

たとえば年末の忘年会であれば、お客様との付き合いで予定が詰まっている営業担当者の予定も重要になってくる。また、組織の雰囲気作りに一役買っているムードメーカー的な存在も、できれば参加してほしいところだ。誰を優先的に参加させるべきか、組織の状況を見ながら判断させよう。

(3)細かな配慮を忘れない

忘年会は「楽しい」だけではなく、「心配り」も必要なイベントである。お酒が飲めない人、家庭の事情で遅くまで残れない人など、さまざまな制約を持つメンバーがいることを幹事には意識させたい。たとえば子育て中の女性社員がいる場合、開始時間を早めにするなどの配慮が必要だ。

また、終電の時間も重要なポイントだ。特に郊外から通勤している人には気を遣わなければならない。コロナ禍以降、終電時刻が早くなった路線も多いため、事前に確認しておくことをアドバイスしよう。

座席の配置も、幹事として気を配るべきポイントである。上司と部下、男性と女性、先輩と後輩のバランスを考えながら決めていく必要がある。普段あまり話す機会のないメンバー同士が会話できるような工夫も求められる。

このように細かな配慮を忘れないことが、幹事としての評価を大きく左右する。そして、これらの経験は間違いなく、今後の仕事に活きてくるはずだ。

ダンドリ力は「場数」によって鍛えられる

「ダンドリ力」は、ビジネスパーソンにとって必要不可欠なスキルである。しかし座学で学ぶことは難しい。まさに「場数」がものをいうスキルだ。忘年会の幹事は、その絶好の機会となる。

実際のプロジェクト運営で「ダンドリが悪い」と評価されたらダメージは大きい。しかし忘年会の幹事であれば失敗経験も糧になる。

私自身も20代の頃、幹事を任されるたびに気が重くなった。しかし「場数」を踏むことで少しずつ組織全体を俯瞰できるようになるし、普段話さない同僚からも信頼されるようになった。幹事を通じて学んだことは、かなり仕事にも転用できている。

このように幹事をやることはダンドリ力を鍛えるうえで絶好の機会だ。上司は適度なサポートを心がけながら、若手の成長を温かく見守ってほしい。この経験は必ず、彼らの「仕事力」向上につながるはずだから。

横山 信弘:経営コラムニスト

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