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「カグラバチ」が"サイバー・松竹連合"でアニメ化へ 業界注目の人気漫画を2社が射止めた理由

東洋経済オンライン / 2024年12月2日 19時30分

アニメプロデュースの世界では存在感の乏しいサイバーエージェントと松竹。業界関係者が注目する人気作のコンペでなぜ両者が勝利を手にしたのか(上写真:梅谷秀司撮影、下写真:今井康一撮影)

「アニメの第3極」誕生への第一歩となるか。

【写真で見る】カグラバチの単行本の累計発行部数は130万部を突破した

集英社の人気漫画「カグラバチ」が、サイバーエージェントと松竹の共同幹事でアニメ化されることが東洋経済の取材でわかった。制作はサイバーエージェント傘下のアニメスタジオ、CygamesPictures(サイゲームスピクチャーズ)が担う。放映・配信時期などの詳細はわかっていない。

カグラバチは、2023年9月から「週刊少年ジャンプ」で連載をスタートしたバトルアクション漫画。今年12月4日に5巻が発売される単行本の累計発行部数は130万部を突破し、8月に発表された「次にくるマンガ大賞2024」では、コミックス部門首位に輝いた人気作だ。

特徴的なのが、国境を越えた人気の高まりだ。ネット上では連載開始と同時に海外でも話題を呼び、「Bachibros」を名乗るファンたちが作品を拡散するなど、グローバルでの人気上昇の勢いは直近の集英社作品で一番ともいわれる。

原作枯渇の中で期待の新星だった

日本アニメの市場規模は2023年に3兆3465億円と、この10年で倍増している。牽引役となってきたのが、「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」「僕のヒーローアカデミア」「ハイキュー!!」「SPY×FAMILY」「【推しの子】」といった、ジャンプ系漫画を原作とするアニメだ。

しかし業界では、現在放送・配信されている「ダンダダン」などを最後に、アニメ化で大ヒットを狙えるジャンプ系原作の枯渇が叫ばれている。あるアニメプロデューサーは、「『あかね噺』や『幼稚園WARS』はアニメとして社会現象にまではならないだろう。いよいよ有力なジャンプ作品がなくなってきた」と漏らしていた。

そんな中、彗星のごとく現れたのがカグラバチだった。アニメプロデューサーたちの間では、「日本でも海外でも跳ねる要素があるので、アニメ化したらヒットは間違いなし」「今取りたい原作はカグラバチ。海外でのバズり方が飛び抜けている」と、まさに垂涎の的となっていた。

実際、カグラバチのアニメ化の幹事会社を選ぶコンペでは、ジャンプ作品のアニメ化で実績を誇る大手のアニメ企画・製作会社やテレビ局などが札を入れたという。ところが勝利を手にしたのは、ともにアニメプロデュースの世界で存在感を示せているとはいいがたい、サイバーエージェントと松竹だった。

サイバーエージェントは「【推しの子】」の製作委員会に名を連ね、他社からプロデューサーや海外ライツ担当者といったアニメ人材をかき集めるなど、アニメ事業を中長期の柱とすべく育成に励んでいる。2025年にはいずれもサイゲームスピクチャーズ制作で、人気アーティストのaikoを主題歌に起用したオリジナルアニメ「アポカリプスホテル」、話題の青春ホラー漫画をアニメ化した「光が死んだ夏」の放映・配信を控えている。

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