AIは日々の「節約生活」をどこまで助けてくれるか 家ごとに異なる「節約ポイント」は攻略できる?
東洋経済オンライン / 2024年12月3日 13時0分
それにより、画像認識した野菜をスマホアプリのリストに追加すると、「早く食べたほうがよい順」に並ぶので、単なる在庫リストとしてではなく使い切りを促すことができるわけだ。また、消費期限が短くなった野菜を使うレシピ提案もしてくれるので、それに沿った買い物をすればいいとなる。
これまでも冷蔵庫の在庫管理アプリはあったが、ユーザーが冷蔵庫を撮影したり、庫内に入れた食材を入力する必要があった。しかし、AIカメラなら食材の認識まで自動で行ってくれる。現在は野菜室だけの機能だが、冷蔵室に入れた食品の認識も技術的には可能だろう。
AIが勝手に電気代を節約してくれるエアコンも、しまった野菜をリストにして使い切りを促す冷蔵庫も、すでに製品化されている。販売価格は決して安くはないが、遠からずAI搭載家電はSociety 5.0といわれる近未来社会のスタンダードになるだろう。私たちはAIのおかげで、努力なしに家計費を節約できるかもしれないのだ。
家計そのものをAIがコントロール
エアコンの運転サイクルや冷蔵庫に入っている食材は、その家ごとに異なっているものだ。たとえ同じ家族構成で同じような年収でも、生活スタイルは同じではない。メディアで節約術を取り上げるときは平均値や一般論で述べるしかないが、家に入り込んだAIはその家の暮らしを学習し、それに基づく提案をしてくれる。日々のデータが積み上がれば積み上がるほど、最適化されていく。
最たるものは、家計費だろう。家計というのは唯一無二だ。よく、食費は支出全体の何パーセントまでに、という提案を目にするが、それがナンセンスなことは誰でもわかる。家族構成も違えば、地域によって食材の値段も違う。共働きで外食や総菜に頼りがちな家と、弁当も夕食も全て手作りしている家では、金額だけでなく、よく使う食材も購入サイクルも違うだろう。
電車でどこへでも移動できる東京中心部と、車がなければ買い物に行けない地方の交通費も同じには扱えない。だから、家計費に対するアドバイスは、パーソナライズしなくては役に立たない。平均値をベースに作ったエクセル関数に放り込んで、というわけにはいかないのだ。家計こそAIの活躍する次の舞台と言っていいだろう。
家計簿プリペイドカード「B/43(ビーヨンサン)」を提供するスマートバンクが、「生成AI」と「家計改善」を軸とした事業戦略を発表した。「B/43」は、家計費相当額を入金したVisaプリペイドカードで支払うことで、入力の手間なしに支出履歴がアプリに記録される。いわばプリペイドカードと連携した家計簿サービスで、家計の見える化が容易にできるわけだ。
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