NewJeans騒動で見えた「K-POP商法」の問題点 韓国社会は騒動をどう受け止めているのか
東洋経済オンライン / 2024年12月3日 8時0分
K-POPの人気ガールズグループNewJeansが韓国の芸能事務所最大手HYBE傘下のADORとの専属契約を解除すると発表したことを受け、韓国の音楽業界やメディアは騒然となっている。アーティストが専属契約をめぐり、法的手段よりも先に事務所へ通告したことは前例がないからだ。
韓国日報は、「NewJeansの未来と歌謡界のエコシステムへ変化を起こすかもしれない事態」(11月30日)と報道。このままNewJeansの自由な活動が認められるようになれば、巨額の資金を投資してアイドルをデビューさせ、長年をかけて投資を回収するK-POPのビジネスモデルにヒビが入る可能性がある。
HYBE側に内容証明を送っていたが…
デビューからわずか2年あまりの、現役アイドルNewJeansがなぜ専属契約の解約を自ら通告するまでに至ったのか。その背景には、春から続いている親会社HYBEと、「NewJeansの生みの親」であるミン・ヒジンADOR前代表との確執がある(韓国トップアイドルが「イジメ吐露」に至ったなぜ)。
HYBEとミン前代表の抗争が続く中、NewJeansは9月にも緊急ライブをYouTubeで行い、ミン前代表の復帰を訴えたが、受け入れられず、11月13日には、内容証明をADORへ送っていた。
この内容証明では、ミン氏の代表復帰を再び要求し、HYBE社内のレポートに書かれた「NewJeansを捨てて新しいグループを作ればいい」という内容についての確認と処置、そしてメンバーのハニが、HYBEの別グループのマネジャーから挨拶を無視しろと言われたことへの正式な謝罪など6つの事項について是正されなければ専属契約を解約するとしていた。
しかし、11月20日にはミン前代表が自らADORを退社。前例通り、NewJeansも続いてADORを去るだろうとみられていた。この時点では、その手段は、過去にもあった事例のようにNewJeansが専属契約効力停止の仮処分申請を裁判所に提出することになるとの見方が多かった。ところが、契約解約を通告するという、まさかの展開となった。
NewJeansは専属契約を解約した理由として、内容証明での要求が期日である28日まで是正されず、アーティスト保護義務をはたさなかったとして信頼関係が損なわれたと主張。韓国ではアーティストのデビュー時の専属契約期間は一般的に最長7年とされているが、今回の場合、ADOR側が契約違反を起こしたことによる契約解約であり、契約の効力が停止したため違約金は支払わなくともよいとも主張している。
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