Teams対応AI翻訳、DeepLが音声市場に進出 上場企業8割導入の実績、音声分野で第三の柱確立へ
東洋経済オンライン / 2024年12月4日 13時0分
ドイツのAI翻訳企業DeepLが、音声翻訳サービス「DeepL Voice」を発表した。2017年の創業以来、高精度な翻訳技術で急成長を遂げてきた同社にとって、音声分野への参入は新たな転換点となる。
【写真で見る】オンライン会議ツール「Microsoft Teams」の横に表示される翻訳ツール「Voice for Meetings」
DeepLは2023年1月、2つ目の製品としてAI文章作成支援ツール「DeepL Write」をリリース。そして今回の「DeepL Voice」は、同社にとって3つ目の主力製品となる。
ビジネス特化型の2つのサービス
DeepL Voiceは、オンライン会議向けの「Voice for Meetings」と、対面での会話を支援する「Voice for Conversations」の2つで構成される。いずれも法人契約者向けの提供で、料金は個別の相対契約となる。DeepLは個人向けの提供予定はないことを明確にしており、ビジネスユースに特化した展開を進める方針だ。
「Voice for Meetings」は、オンライン会議での多言語コミュニケーションを実現するツールだ。参加者は自分の母国語で発言でき、ほかの参加者はリアルタイムで翻訳されたキャプションを見ることができる。
「例えば6人の参加者が、それぞれ異なる6つの言語で会話することも可能です」とプロダクト担当ヴァイスプレジデントのクリストファー・オズボーン氏は説明する。チャットでよく見られる翻訳ツールと異なり、音声をリアルタイムで認識し、即座に翻訳文をキャプションとして表示することで、自然な会話の流れを妨げない設計という。
当面はMicrosoft Teams専用アプリケーションとして提供され、Google MeetやZoomなどほかの会議通話ソフトへの対応は未定だ。
一方の「Voice for Conversations」は、DeepLのモバイルアプリ上で提供される対面会話用のツール。1台のスマートフォンを介して2人が異なる言語で会話できる。画面表示は、向かい合って会話する際の「対面モード」と、横に並んで座る際の「並列モード」の2種類を用意。会話の状況に応じて切り替えられる。
翻訳テキストの読み上げ機能も搭載されているが、現状では機械的な音声で自然な会話感には欠ける。DeepLはテキスト表示による翻訳の精度と即時性を重視しており、音声合成の品質向上は今後の課題となりそうだ。
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