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ディズニーで進む「デジタル音痴の排除」の真因 資本主義の加速で「機械が人を選ぶ」時代に?

東洋経済オンライン / 2024年12月4日 8時40分

ライター・編集者の速水健朗は、自身のポッドキャスト『これはニュースではない』にて、日本橋に誕生した「カミサリー」というフードコートはキャッシュレス決済オンリーになっており、こうすることによって、ひっそりとそこに来る客層を選択していると指摘している。

速水は、本来人々を平等にするはずだったテクノロジーがむしろ、人々を選別する機能を果たしていることに注意を向ける。

確かに、テクノロジーは本来、何かができない人を補助する役割だったはずだ。インターネットは世界のどこにいても同じ情報が手に入るツールで、その意味では世界の格差を無くすツールだった。だが、それがいまや、人々を「選択」するツールになっている。

むろん、それぞれの店舗がこうした方向を取ることは批判すべきことではない。それは、店舗ごとの経営だからだ。

ただ、実はこうした些細な部分に、人々の格差が生まれていることは注目すべきだろう。

キャッシュレスオンリーになっている場所は、だんだんと増えてきている。しかし、その裏には、ディズニーランドにも見られる「静かな排除」があるのだ。

「客層の選択」がディズニーにもたらす影響は?

株価が下がっているとはいえ、オリエンタルランドの2024年3月期決算では、売り上げ、利益共に過去最高額を叩き出している。また、2025年3月期の中間決算で、前年同期比で最終利益が減少していることについても、下半期で挽回していく可能性も十分に残されているだろう。

実際、同社はたくさんの入園者を入れて「量」を取る方向から、少ない来園者の消費額を増加させて「質」を取る方向へ舵を切ることを明言している。

この流れの中で、チケットの値上げやIT化が進められてきているわけで、決算を見る限り、その戦略は成功しているように思える。

しかし、今回見てきたように株価が下がっていることを見ると、こうした政策はそれ以上の影響をオリエンタルランドにもたらしてしまうかもしれない、とも思える。資本主義が行き過ぎた結果、「夢の国」から夢が完全に失われてしまったとしたら……。

今後の説明会で、どのような方向が示されるのか。これまで以上に顧客の選択を行うのか、あるいは異なるビジョンが示されるのか。注目したい。

谷頭 和希:都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家

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