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クリスマスの新定番「1人シュトレン」浸透のなぜ 日本で独自進化し続けるシュトレンの現在地

東洋経済オンライン / 2024年12月4日 9時0分

日本でもクリスマスの定番となりつつあるシュトレン、1人で楽しむ人が多い理由は?(写真:Ushico/PIXTA)

日本でもクリスマスの定番となってきたドイツのパン菓子「シュトレン」。ドイツではクリスマス前4週間の「アドベント(待降節)」期間にに薄くスライスして、毎日少しずつ食べながらクリスマスを待つ習慣があるが、日本では同居人の有無にかかわらず、1人でシュトレンを楽しむ人が増えていることがわかった。背景に何があるのか。

【写真】栗が丸ごと入ったものや、ピスタチオ色が鮮やかなものなど、日本で"独自進化"しているシュトーレン

クリスマスケーキとは違う「楽しみ方」

シュトレンは、ドライフルーツやスパイス、バターをたっぷり使ったパン菓子で、日本では2010年代後半からブームとなったのち、今や11月頃からあちこちのパン屋で見かける定番クリスマス菓子である。

パンのフードロス削減通販プラットフォーム「リベイク」を運営するクアッガが今年10月に利用者を対象にシュトレンとクリスマスケーキの購入に関する比較調査を実施したところ(回答数803人)、クリスマスケーキは1人で食べる人が9%なのに対して、シュトレンは36%が1人で楽しんでいる。リベイクでシュトレンは2023年の出品者数が2021年の約2倍に増加し、急速に浸透している。

年代別に見ると、20代と70代以上は1人暮らしの人だけだが、30~60代は、家族が同居していてもシュトレンは自分用に買う人が多い。40代では83%が、同居家族がいてもシュトレンは自分用に買っているほか、30、50、60代も半数以上が、家族がいるのにシュトレンを自分用に購入している。

つまり、ケーキは誰かと一緒にクリスマスを祝うために買うが、シュトレンは自分だけの楽しみに買う、という人たちの行動が浮かび上がったのだ。ちなみに、リベイクの利用者の95%は女性だ。

ピスタチオ入りや、栗や生姜ゴロゴロ入ったもの、グルテンフリーやビーガン……と進化が止まらない日本のシュトーレン

回答した人たちが挙げたシュトレンを1人で食べる理由は、「賞味期限が長い」「自分の好みなので独り占めしたい」「人にあげて好みでなかったら嫌だから」。リベイク運営事務局の中島百音氏は、「幼い子どもがクリスマスケーキが好きだから」といった声もあるとし、パートナーとシェアしない理由も含めて「スパイスやドライフルーツが多く使われているので、好き嫌いが分かれるからではないでしょうか」と分析する。

ドイツより多様化が進む日本版シュトレン

中島氏が挙げたもう1つの理由が、日本独自に進化したシュトレン自体の多様性だ。リベイクに出品されるアレンジされたシュトレンは、チョコや栗といったフレーバーのものを出す店が最も多く、次に多いのが、地元の食材を使うシュトレンである。

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