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鳥貴族とやきとり大吉、一緒になる事の「影響」 大阪の個人店→40年で600店舗を超える鳥貴族

東洋経済オンライン / 2024年12月12日 13時0分

「ダイキチシステムの近藤隆社長には、こちらからお声がけして海外展開に向けての説明もし、グループに加わってもらった」

なお、八兵衛の八島且典社長も十数年来の友人で、「焼鳥」文化を世界に広げたいという同じ気持ちを持っていたことから、協業することになったという。

鳥貴族と大吉では価格帯では肩を並べるものの、客層、立地ともにはっきりと異なっているため、すみ分けは自ずとなされている。

やきとり大吉の大きな課題が加盟店の増加

では、シナジー効果はどのような点で発揮していくのか。

直近では串などの資材調達や用地取得で連携し、コストダウンや効率化を図る。また、これまでの大吉では店主それぞれに任されていた食材調達についても、可能な店舗においては共同で実施してスケールメリットを狙う。これにより、それぞれの加盟店にとってはコストダウンを図ることができ、その分利益が増える。

「全店は無理だが、1県内にそれなりの店舗数がある場合、鳥貴族との共同購入も考えている。課題となるのが、発注の規模だ。店舗の面積が鳥貴族の4分の1であるため、食材の発注数も少ない。小ロットの発注に応じてもらえるか、産地の工場と交渉を進めているところ。お酒についても、今はビール以外別々だが、種類によっては共同購入も検討する」

大吉の大きな課題が加盟店の増加だ。一時期1000店舗に達した時期もあったものの、現在までに半減してきた。店主の高齢化、後継者不足が理由として大きい。募集の仕方についてもアップデートしていく必要があるという。

「まずはシナジー効果により、既存の加盟店に利益を上げてもらう。それから募集媒体やキャッチコピーの切り口。また、加盟費用も現状は800万〜1700万円(オーナー方式プランの場合)だが、加盟店を増やすためにはもっと抑える必要がある」

現状では、大吉の加盟店募集では希望する場所で開業するオーナー方式プランと、初期費用99万円で本部の所有する店舗をリースするリース方式プランの2通りがある。

鳥貴族については、647店舗中245店舗がTCC(カムレードチェーン)と呼ばれる独自の加盟店システムをとっている。元社員等限られたオーナーによるFC形式での展開で、外部からの募集はしていない。

ブランドの魅力を残しつつ、協業でよりプラスの効果を

また、すでに変化が表れており、注目したいのがマーケティングやメニュー開発の部分だ。

鳥貴族では2021年にマーケティング部門を立ち上げ、メニュー開発やプロモーションを行ってきた。確かに、今回久しぶりに訪ねると、以前の鳥貴族との違いを感じた。なんとなく、目新しさを感じたのだ。実際、期間限定メニューの頻度も以前の3カ月ごとから、2カ月ごとにアップしている。アプリ連携など販促も刷新した。

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