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ベンツ、2635万円「ゲレンデのEV」で感じた別世界 EVの新たなベンチマークとなりうるクオリティ

東洋経済オンライン / 2024年12月12日 9時0分

車両重量でみれば、G450dの2560kgに対してG580は3120kgと、実に560kgも重い。それでも、オフロード走行では重さを感じず、またノシノシと動くというイメージもなく、走り味はソフトでジェントルなのだ。

“軽い”とは決して言えないが、“重さを忘れてしまう”といった印象があるほど、扱いやすい。重たいクルマがありがちな、ギクシャクする感じが極めて少ないのだ。

4モーターでトータル432kW/1164Nm

本格的なオフローダーではこの夏、同じコースで三菱「トライトン」の試乗をしているが、G580の走行性能はトライトンとは“別次元”といった雰囲気すらある。また、別の場所で70/250/300と一連の「ランドクルーザー」シリーズに乗っているが、G580はこれらともまったく違う走行感がある。

G580はランクル300と同様にサスペンションストロークが大きく、ドライバーの目線がぶれにくい、いわゆるフラットライド感が強い。だが、クルマの上下動も含めて、クルマ全体の動きに対する電子制御のクオリティでは、G580がランクル300や250をしのぐ。

G580は、4輪それぞれに出力108kWのモーターを備え、トータルで最大出力432kW/最大トルク1164Nmを発揮。車体の中央下部に搭載するバッテリー容量は、116kWhとかなり大型だ。バッテリーパックについては、外部からの衝撃に対応して厚さ26mmのカーボンコンポジット素材を使うアンダーガードプロテクションを採用する。

また、G580はデフロック機能こそないが、Low Range機能があり、ギア比を1:11から1:21に切り替えられ、オフロード走行に対応する。さらに、オフロードクロール機能を搭載。これは時速4km、8km、12kmの3段階に設定可能で、この速度で走るように車両側が自動で出力を制御する。

このほか、深い水の中を走行するシーンも体験した。渡河性能は、G450dの700mmに対してG580は150mm増の850mmと、BEVモデルのほうが深い水深に対応する。電池パックのパッキンなどの精度を上げているため、ここまでの数字が実現できたという。

他のBEV製造メーカーの場合、開発段階で深い水の中を走行するシーンを公開することはあっても、「あくまでも災害時などの緊急的な対応」を前提としており、BEVにおける渡河性能といった表記をしていない。

各社の4輪駆動車の開発者らと意見交換をしていても、渡河性能を含めた本格的な4駆BEVの量産に向けたハードルは「極めて高い」という声を聞く。

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