どん底に落ちた不登校を機に夢を叶えた母の教訓 子どもが失敗から学ぶ機会を奪ったことを後悔
東洋経済オンライン / 2024年12月14日 9時30分
「『そんなことを言うとお母さんは悲しい!』と伝えたり、『死ぬことはどういうことなのか』を何度も説明しましたが、息子には何ひとつ響きませんでした。この頃が我が家の″底辺”でしたね。ぐちゃぐちゃで何をしてもうまくいきませんでした」
由紀さんは不登校の相談に乗ってくれそうな機関を探して駆け込みます。
「どこに相談してもこちらの状況を詳しく伝えるだけで終わってしまうんです。『お母さん、大変ですね』と共感してくれますが、肝心の具体的な解決策は教えてくれません。いったいなんのための相談機関なんだろうってくやしくて泣きながら帰りました」
「最初にお話ししたように、不登校の初期はいろいろ試しました。押したり引いたり、目の前にニンジンをぶら下げてみたり。勇気づけたり褒めたりもしました。そうすることでうまくいく日もあるんです。でも、どんどん勉強が遅れていく焦りや、すんなり学校に行けない息子を見ると、この子の将来はいったいどうなるんだろうと、すごく不安になるんです。そうすると、無理にでも学校に行かせたい気持ちが湧いてきて、また息子は荒れてしまうんです」
「当時の私は何をすれば息子が学校に行くのか、その答えばかりを探していました。苦しかったですね」
由紀さんが私と出会ったのはそんな頃でした。
「他のお母さんたちの悩みを聞いていると、自分の感情を見つめることができるんです。自分がどんな時に苦しくなるのか、子どものどんな発言に心が揺さぶられるのか。それまで自分の気持ちを掘り下げたことがなかったので衝撃でした。そこから思うことを紙に書いてみたり、昔の記憶をたどってみたんです」
「浮き彫りになったのは私の家族との関係です。私の兄は努力せずに何でもできる人なんです。母はそんな兄を評価していたし、私より好きなんだろうなと感じていました。だから兄のような人を見ると心がざわつくんです。要領よく生きている人が嫌いというか」
「自分の子育てにもそれが影響していたんですね。上の子が『私はいつも弟よりがまんしている』と言うと、『そんなわけないでしょ、きょうだいは上の子のほうが絶対有利なんだから』と思っていました」
自分の中のモヤモヤに向き合うと…
「大人になってからのことも思い出しました。私は結婚したら在宅で仕事をしたかったんです。子どもたちに″おかえり”と言ってあげたかったので。そのために資格も取りました。でも、子どもが生まれたり母が倒れたりして、自分の夢をことごとくあきらめさせる現実が起こっているようで苦しかったです」
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