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どん底に落ちた不登校を機に夢を叶えた母の教訓 子どもが失敗から学ぶ機会を奪ったことを後悔

東洋経済オンライン / 2024年12月14日 9時30分

「人との交流も広がりました。私はポッドキャストというラジオ配信を聞くのが好きなんですが、オフラインイベントに勇気を出してひとりで参加したんです。そこでたくさんの人とつながって、今、自分も日常の出来事を声で配信したり、同じお母さんたちと番組を作ったりしています」

「私はいろいろなことをあきらめていたんですね。環境が整えばとか、タイミングが合えばとか、何かと理由をつけて自分の夢をあきらめていました。でも、これまで出会ったことのないような人たちにこうして出会えるのは、息子の不登校のおかげかもしれないです」

フリースクール通いで元気に

今、息子さんはどのように過ごしているのでしょうか。

「小学校には週に2~3日、別室登校をしています。その他に民間のフリースクールに週1回通うようになりました。今、そのフリースクールに通うことが息子の活力になっているようです。そこには元不登校生の大学生たちが来て話をしてくれるんですが、彼らのリアルな体験談と明るい未来が息子に響いています。家から駅まで自転車で行って、途中でお昼ごはんのパンを買って電車に乗る。『ぼく、ひとりで通えるから』と元気に出かけていきます」

「小学校の別室で対応してくださる先生にも感謝しています。教務の先生が算数を教えてくださるんです。『算数は積み重ねが大事だから少しずつやっておこうね』って。マンツーマンで教えてもらえるから教室の授業より進んでいるんです。それが『僕もやればできるんだ』という息子の自信につながっています」

「今も不登校という状態は変わりませんが、フリースクールでは気の合う友達もできて、以前のように『僕はダメなんだ』と言わなくなりました」

由紀さんは、息子さんと向き合うなかで大きな気づきがあったと言います。

「上の子が中学校に入った時、小学校との違いに驚きました。中学校では始業式の翌日からいきなり6時間授業。部活の時間も長くて課題の提出も多く、夜中までかかるようなことをやらなければなりません。マイペースな息子のことを考えると、中学生になった時についていけるか不安でたまらなくなりました。だから私は、当時小学4年生の息子を急き立ててしまったんです。その不安は、いろいろなことをあきらめてしまっていた自分が、息子だけはなんとかしなくちゃと焦っていたからなんですね。今ならそれがよくわかります」

「息子は自分が納得いかないことはやらないという意思を持っていることにも気づきました。誰かに決められたことをやらされる息子は不満そうです。でも、自分が納得したことはやり遂げる。私は息子のそんな性格を見抜けませんでした。今は息子にやりたいことがあれば、全力でサポートしてやろうと思います」

不登校は親の課題に気づくきっかけ

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