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サンフレッチェ新スタジアムで広島中心地が激変 ファミリー層や若者を取り込んで街全体が活況に

東洋経済オンライン / 2024年12月17日 12時0分

サンフレッチェ広島のサッカー専用スタジアム「エディオンピースウイング広島」。2024年2月にオープン以降、平均観客数が一気に1万人増えた(筆者撮影)

最後までもつれた2024年Jリーグ優勝争い。12月8日の最終節でヴィッセル神戸が湘南ベルマーレを3-0で下して連覇を達成した。一時は首位を走っていたサンフレッチェ広島は、神戸と勝ち点1差で最終節のガンバ大阪戦に挑んだが、敵地で1-3の敗戦。惜しくもJ1の2位にとどまった。

【写真を見る】ワールドカップアジア2次予選の日本代表対で、広島の新スタジアムが会場になった

しかしながら、2024年の広島は環境面で大きな変化があった。2012年から建設構想が持ち上がり、中区基町の広島市中央公園広場に整備が進んでいたサッカー専用スタジアム「エディオンピースウイング広島」が2月にオープンし、観客動員数が目覚ましい伸びを示したのである。

広島はご存じの通り、1992年の発足時からJリーグに加盟するオリジナル10の名門。彼らの本拠地は2023年まで、広島市北西部の安佐南区にある広島ビッグアーチ(現名称はホットスタッフフィールド広島)だった。

同競技場は1994年アジア大会のメイン会場で収容5万人。けれども、市内中心部からアストラムラインで約1時間を要するなどアクセス面が課題で、広島の集客問題の要因となっていた。

日本代表の森保一監督が指揮して3度のJ1制覇を達成した2012~2015年を見ても、1試合あたりの平均観客数は1万6000~1万7000人台。空席が目立つ印象が拭えなかった。ビッグアーチ最終年の2023年も同1万6128人。非常に厳しい状況にあったのは間違いない。

交通アクセス改善で観客数が急増

それが今季から新ホームに移った途端、毎試合が満員という状況が続いた。2024年の広島の平均観客数は2万5609人。約1万人増というのは特筆すべき数字だ。

それ以外にも、同スタジアムでは6月11日の2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選・日本代表対シリア代表戦、8月1日のJリーグインターナショナルシリーズ・広島対シュトゥットガルト戦などビッグマッチが開催され、日本サッカー界の新重要拠点として鮮烈な印象を残したのである。

とはいえ、新スタジアム完成に至る道のりは一筋縄ではいかなかった。サンフレッチェの仙田信吾社長はしみじみと経緯を語る。

「市中心部の専用スタジアム建設に関しては、森保さんが率いて初優勝した2012年から署名活動が始まり、37万人の署名を2013年に広島県と市に提出。そこから有識者検討会議が発足して、具体的な話が進んでいきました。

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