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「M-1エリート」時代の幕開け?新たな伝説に期待 20回目のM-1 令和ロマンが史上初の2連覇に挑む

東洋経済オンライン / 2024年12月18日 13時0分

M-1がこうなった背景には、審査員・松本人志の存在がある。

1980年代に登場したダウンタウンの漫才は正統派でもあったが、同時に従来の漫才の常識を覆すような革新的なものでもあった。それに影響を受けた当時の若者たちは、ダウンタウンに憧れ芸人を目指した。

そして2000年代になり、松本が審査員を務めるM-1が始まった。芸人にとっては、「松本人志が誰のネタに高得点をつけるか」が必然的に関心の的になった。屋敷の「最悪や!」はそのひとつの例だ。

ドラマ性とエンタメ性が融合したコンテンツ

そうして真剣に競い合う芸人たちの姿は、お笑いファンを魅了してきた。だがそれだけでは、これほどの一大イベントにはならなかっただろう。M-1がより多くの視聴者を惹きつけたのは、生放送という緊張感のなかで起こる数々のドラマがあったからだった。

たとえば、2001年から2010年までは結成10年以内、そして再開後の2015年からは結成15年以内という応募条件がある。そこから、「今年がラストチャンス」というようなドラマが生まれる。

それとは少し異なるが、2021年優勝の錦鯉などもドラマ性を感じさせた。長谷川雅紀と渡辺隆はともに芸人としてのキャリアは長かったがブレークできず、アルバイト生活が続いていた。渡辺は当時43歳。長谷川雅紀に至っては50歳で、史上最年長記録だった。

また、大会のルールが生み出すドラマもある

敗者復活はその最たるものだろう。2007年にサンドウィッチマンが初めて敗者復活から優勝した展開は劇的で、それをきっかけに敗者復活組は一躍注目されるようになった。2015年優勝のトレンディエンジェルも敗者復活組。先述したように、オードリーもそうである。

ほかにも笑神籤(えみくじ)で決まる出番順、1本目と2本目のネタの選択なども勝負の綾になる。2023年ファーストラウンドを1位通過したさや香が2本目に「見せ算」というネタを選んだことの是非について巻き起こった議論は、まだ記憶に新しい。

こうしたドラマは真剣勝負ゆえのことだが、一方でM-1はあくまでお笑いのイベント。変に真剣になりすぎず、笑いとして処理できる面もある。屋敷の「最悪や!」も本人にとっては真剣だったかもしれないが、違う角度から見ると面白くなり得る。ラパルフェの「完コピ」は、それをやったとも言える。その意味でのエンタメ性もM-1の強みだ。

大学お笑いサークルと「M-1エリート」

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