上昇が続くビットコインは「バブル」といえるのか 暗号資産推進派のトランプ勝利で高騰続く
東洋経済オンライン / 2024年12月18日 9時20分
なぜビットコインは、ここまで急騰しているのか。暗号資産急騰の背景には、いったい何があるのか。簡単に紹介すると、次のようなものがあると考えられる。
①マイニング半減期の期間であったこと
マイニングと言うのは、ビットコインのルールで4年に1度、ビットコインを創生(採掘)するマイニング報酬が半分に減少するイベントのことだが、それがたまたま2024年の4月20日に実施されている。これまでの半減期にはビットコインは急騰してきた。そのタイミングでトランプ氏がビットコインをアメリカの戦略的準備金に組み入れると約束したことから、その価格が大きく急騰したと考えられている。
②オプション市場での異変
ビットコインにもオプション市場が存在するが、今回の急騰に拍車をかけたひとつが、このオプション市場での「コール(買う権利取引)」だと言われている。2020年から始まっているビットコインのオプション取引は、大量の資金が「買う権利=コール」に集中し、11月22日には460億ドル相当にまでコール・ポジションが積み上がり、コールの売り手であるマーケットメーカーが損失回避のためにビットコインの現物を買わざるをえない状況になった、と考えればいいかもしれない。
③ビットコインETF市場の急激な拡大
前述のように、ビットコインETFはいまや15兆円もの市場に成長している。ビットコイン全体の時価総額は今や300兆円に達し、ビットコインを含む暗号資産全体の時価総額も約3.3兆ドル(約500兆円)にも成長しており、マイクロソフトなどアメリカの巨大テック企業に匹敵する規模となっている。その推進役となっているのがETFと言うわけだ。
④インフレ懸念の再燃
ビットコインや金は、インフレに強いと言われている。インフレによって通貨が目減りしていく中で、その価値を維持し続けてくれそうな金やビットコインが注目されて、数多くの投資家に購入されているわけだ。
⑤地政学リスクの高まり
2024年はまさに第三次世界大戦の前哨戦ではないかと思われるような、地政学リスクの高まりがあった。ロシア・ウクライナ戦争をはじめとして、イスラエルや中東諸国では熾烈な戦火を交えている。中国も東アジアでの海洋進出を着々と進めている。地政学リスクの高まりで、いざと言う時に役立つ資産としてビットコインなどの暗号資産が注目されてきている。
トランプ次期大統領が準備しているかもしれないと言われているビットコインを外貨準備に組み入れるプランも、あながち笑い話では済まない状況が進んでいるわけだ。
ビットコインの価格形成に影響を与える4つの要因
この記事に関連するニュース
-
暗号資産に資金流入=次期米政権にらみ、価格変動リスクも
時事通信 / 2024年12月15日 17時42分
-
レイ・ダリオが世界債務危機を予測しゴールドとビットコインへ投資をシフト
トウシル / 2024年12月12日 18時9分
-
ついにBTC10万ドル突破!トランプ当選で確変入り?~12月のビットコイン見通し~
トウシル / 2024年12月9日 7時30分
-
SNSで「2025年の仮想通貨・ビットコインは爆上げ」という投稿を見かけます。トランプ氏の就任も追い風らしいですが、なぜ「値上がり」すると分かるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月30日 5時40分
-
アングル:仮想通貨市場に高揚感、米財務長官人事などに注目 急変を警戒
ロイター / 2024年11月20日 18時47分
ランキング
-
1急増の「小さな葬儀」"意外なトラブル"に要注意だ 人気の「家族葬」メリット・デメリットは?
東洋経済オンライン / 2024年12月18日 11時0分
-
2ホンダと日産が経営統合へ協議、三菱自動車の合流も視野に…不安要素は「日産の経営状態」
読売新聞 / 2024年12月18日 10時42分
-
3ホンダと日産、経営統合に向けて協議へ…三菱自の合流も検討
読売新聞 / 2024年12月18日 8時19分
-
4なぜ、イケアは激安“50円”ソフトクリームを提供するのか?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月18日 7時20分
-
5日産株、ストップ高で終了 ホンダ統合協議入りに期待
共同通信 / 2024年12月18日 15時55分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください