上昇が続くビットコインは「バブル」といえるのか 暗号資産推進派のトランプ勝利で高騰続く
東洋経済オンライン / 2024年12月18日 9時20分
ところで、こんな状況でビットコインは今後どうなるのだろうか……。そもそもビットコインはどんな要因で価格が形成されるのか。ビットコインの価格が動くメカニズムを考えると、次のような要素が考えられる。
1.需給のバランス
トランプ氏が大統領選挙で優位に立つにつれてビットコインの価格は上昇し、この数カ月で価格は上昇を続け、市場から大量のビットコインが移動していると報道されている。
ビットコインは、あらかじめ供給量を2100万枚に制限されているために、投資家が将来の価格上昇を期待すれば、投資家はビットコインを抱えて離さなくなり、その価格は上昇することになる。現在のビットコインの時価総額300兆円のうち、約7割程度を個人投資家が保有している。個人投資家が一斉に利益確定で売却すれば、価格は暴落することになる。
2.規制緩和の状況
ビットコインの取引を制限した中国のように、国によってはビットコインの売買を禁止するところもある。こうした規制緩和の状況によっても、その価格は大きく変化する。トランプ氏が大統領に就任する時点で、少なくともアメリカでは大きく規制緩和されるのではないかと期待されている。
アメリカの報道によれば、トランプ政権チームは、銀行規制を担当する主要政府機関の大幅な縮小や統廃合を検討しているそうだ。たとえば、「連邦預金保険公社(FDIC)」の廃止の可能性まで検討しているそうだから、実現すればビットコインなどの暗号資産も大きな規制緩和の波がおこるかもしれない(ウォールストリートジャーナル「トランプ氏の側近ら、銀行規制当局の縮小・廃止を模索」2024年12月13日)。
銀行の預金保険制度が万一崩壊するようなことになれば、マネーは銀行から流出し、株や債券、暗号資産や金などに流出することは避けられない。
また、税制の変化もビットコインの価格形成に大きな影響を与える。日本では、現在ETFの創設でさえ検討されていない段階だが、やがてETFに解禁されて20%の申告分離課税の対象になる日が来るかもしれない。現在は最高税率55%の一時所得扱いされているが、特定口座の対象になれば最高で20%の税金で売買取引ができることになる。
ビットコインが買われる条件
3.景気動向に左右される
ビットコイン=暗号資産は、インフレに強いと考えられており、近年金同様に買われてきた。インフレが続けば法定通貨の価値が下落し、資産を守る意味で金やビットコインが買われることになる。また、インフレによって金利が上昇すれば、株価が下落するため、株式市場から暗号資産市場などに資金がシフトすることも考えられる。
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