上昇が続くビットコインは「バブル」といえるのか 暗号資産推進派のトランプ勝利で高騰続く
東洋経済オンライン / 2024年12月18日 9時20分
4.イノベーションによる要因
暗号資産は、いまだに現物を貨幣として使うことが難しいが、何らかの技術革新によって、もっと手軽に使えるようになれば、暗号資産全体の価格が安定して投資しやすくなり、その価値も上昇する可能性が高い。また、ビットコインのように創成(マイニング)に莫大な電気を消費することが問題視されているが、その解決策が見つかれば、さらなる成長が可能になるかもしれない。また、ブロックチェーン技術の向上も期待されている。
5.競合する通貨との関係性
ブロックチェーン技術を駆使したことで誕生した「NFT(非代替性トークン)」や「DeFi(分散型金融)」といった技術の向上によって、暗号資産市場全体に資金が流れ込みやすくなる。これらの技術に使われている「イーサリアム」などが価格を上昇させれば、ビットコインの価格にも波及してくる。
ビットコインは新しい通貨になるのか、金との違いは?
パウエルFRB議長が、ビットコインを「デジタルゴールド」と位置付けたことで、市場には大きな追い風が吹いているわけだが、リスクはないのだろうか。
ビットコインの現在の時価総額は約300兆円、対して金の時価総額は世界で約2800兆円。ビットコインは、投資以外ではほとんど使われないが、金は宝飾用や工業用として幅広く使われている。「暗号資産=カジノのチップではないのか」と指摘する人もいるが、2008年からスタートしたビットコインは歴史も浅く、トランプ政権時代は良いが、その後はどうなるのか……。皆目見当もつかない。
さらに、相変わらずハッキングによる盗難も多い。最近も、暗号資産交換業のDMMビットコインが、5月末に482億円相当のビットコインを不正流出させたことで廃業することになったが、きちんとした規制が行われないと、こうしたケースは今後も数多く発生する可能性が高い。
文字通りビットコインは、ハイリスク・ハイリターンの投資商品だが、余剰資金でゼロになってもかまわない、という覚悟でやらないとひどい目に合うかもしれない。ビットコインは金と違って、有事の際に本当に強いのかどうかは、実はいまだによくわかっていない。韓国大統領が戒厳宣言をした瞬間にも、ビットコインは一瞬大きく下げた。
あくまでも、自己責任で楽しむ姿勢が、個人投資家には必要と考えられる。
岩崎 博充:経済ジャーナリスト
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