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役所の「窓口手続き改革」いったい何が変わるか 全国7835件の規制を改革、3.6兆円の効果を生む

東洋経済オンライン / 2024年12月20日 10時30分

2021年9月に発足したデジタル庁は、2022年6月からの2年間で、地方自治体の非効率な規制を7835件見直した。これにより3.6兆円の経済効果が得られると試算されている(著者撮影)

「なぜ、これ役所に行かなきゃいけないの?」「本当に対面での手続きが必要?」「もっと効率的なやり方があるんじゃないの?」地方自治体の仕事には、そういう無駄や非効率が多いと思える。今、デジタル庁が、全国の地方自治体とともに非効率な手続きの原因となっている『アナログ規制』(書面や、対面、現地での目視判定を定めた規制のこと)の見直しを進めている。

【写真で見る】見直しが必要な規制は約1万件にのぼり、そのうち96%を2年のうちに見直し完了(デジタル庁提供資料)

約96%にあたる7835件が見直し完了

いわゆる『お役所仕事』という言葉がある。四角四面で融通が利かず、非効率的とも思える作業スタイルを表す言葉だ。筆者などは、書類仕事が苦手だから、同じような書類を何度も書かされるとイライラしてしまう。

しかし、そうなってしまうのには理由がある。

地方自治体というのは、すべての人に、平等で均質なサービスを届ける必要がある。

種々のサービスの提供や、税金などの負担など、極力平等に行う必要があるし、記録を残しておく必要がある。それぞれの時点で必要性を判断できればいいが、そうもいかないので『従来はどうしていたか?』に倣う必要が出てくる。それが積み重なると悪しき『前例主義』が出来上がる。

デジタル技術の進歩によって、もっと効率的にできるはずのことが、これら『アナログ規制』によって滞っている。しかも、日本はこれから未曾有の高齢化、労働人口の減少に見舞われる。特に、都市部より地方、過疎地域のほうが事態は深刻だ。

そこで、2021年11月に『デジタル臨時行政調査会』が設定され、『構造改革のためのデジタル原則』が制定され、翌6月に『デジタル原則に照らした一括見直しプラン』が決定された。

この時点ではそこから2025年6月までの3年間を集中改革期間としたのだが、その後就任した河野前デジタル大臣の意向もあり締切は1年前倒しの2年間に。現場は大変な苦労があったようだが、約1万の条項がチェックされ、そのうち見直しが必要とされた8164件のうち、約96%にあたる7835件を期限である2024年6月までに見直しが完了したと、このたび発表された。これにより3.6兆円の経済効果があるとの見通しだ。

もちろん、残りの約4%についても今後フォローアップが続けられる。

地方自治体の窓口に行った時「あれ? 便利になったかも?」と思ったら、このデジタル庁による『アナログ規制見直し』の成果である可能性が高い。

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