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次期トランプ政権の関税政策をあまり気にするな 「20個のやるべきこと」での関税の取り扱いは?

東洋経済オンライン / 2024年12月21日 8時30分

しかもドウデュースは、これが引退レースとなる。勝てば文字通りの「有終の美」だ。「有馬で勝ってそのまま引退」というケースは、オグリキャップ(1990年)の復活劇が有名だ。筆者はコロナ以前にはかなりの頻度で「有馬記念は中山競馬場で」見ていたので、「引退馬の優勝」を何度も目撃している。特に2013年、2着馬に8馬身差をつけてゴールしたオルフェーヴルは、馬券が大当たりだったこともあって忘れがたい思い出だ。

逆に2014年のジェンティルドンナ、2017年のキタサンブラックは、馬券を外した後に引退式を見ることになった。帰りは船橋法典駅への地下馬道が混み合うので、そうするしかないのであるが、いささかツラい経験であった。ただし、愛馬の勝利に感極まった北島サブちゃんが、自分で作詞した『キタサンブラックありがとう』を皆の前で熱唱したのは、今から思えばしみじみいいものを見させてもらったものである。

「物価高騰年」の有馬記念は本命に逆らって「あの馬」に

さて、今年の有馬記念はどうすべきか。オッズは低くなるけれども、ドウデュース(1枠2番)から買って年の瀬の大団円に期待を寄せるべきか。それともあえて逆らって、「高め」の馬券を追い求めるべきか。

筆者の本能は「逆らいたい!」と叫んでいる。いや、確かにドウデュースは強い。ダービーではのちの世界最強馬、イクイノックスに勝っている。鞍上の武豊騎手との息もピッタリで、そのことは11月のジャパンカップ、10月の秋の天皇賞勝利が雄弁に物語っている。

しかし年の瀬の大一番、日本列島が物価高騰に揺れた一年の締めくくりには、低い配当に甘んじるよりはリスクを選好したくなる。

こう考えたのだが、なんと執筆後、ドウデュースが右前肢ハ行のため、出走取り消しとなってしまった。幸い「逆らいたい!」という本能に従ったこともあり、ドウデュースが出走取り消しとなっても結論は変わらない。

ここで思い出すのは、有馬記念を連覇したシンボリクリスエスの雄姿だ。2003年、有馬記念終了後の中山競馬場、4歳で引退式を迎える「漆黒の帝王」に向かって、「まだやれるぞう!」と誰かが叫んでいた。ファンは「スターホースがもっと走るのを見たい」と願い、馬主さんは「怪我をする前に種牡馬として残したい」と考える。引退式のたびにそんな葛藤が走る。ドウデュースの馬主さんも苦渋の選択であったことと拝察する。

そのシンボリクリスエスが残した血筋がエピファネイアであり、その子が今年の有馬には2頭出走する。ダノンデサイル(1枠1番)とブローザホーン(2枠4番)だ。菊花賞が惜しいレースとなったダービー馬、ダノンデサイルに夢を託したい。

※ 次回の筆者は小幡績・慶應義塾大学院教授で、掲載は12月28日(土)の予定です(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

かんべえ(吉崎 達彦):双日総合研究所チーフエコノミスト

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