BMWのキーマンが明かす「パワトレと水素」戦略 内燃エンジン車、BEV、FCEV…魅力ある車を作る
東洋経済オンライン / 2024年12月23日 12時0分
現在では主にPHEVを含む内燃エンジン車とBEVという軸で語られる、このパワー・オブ・チョイスだが、前述の通り将来的にはそこにFCEVも入ってくることになりそうだ。ちょうど9月上旬にBMWはトヨタ自動車と、これまでの10年以上にわたる水素分野での協力関係の一層の強化で合意し、FCシステムやインフラ整備に共同で取り組んでいくと発表したところである。
押さえておきたいのは、これはトヨタがBMWにFC技術を供給するという話ではないということだ。あくまで両社共同で開発していく。では、BMWがFCシステムに求めるのは、どのような要素なのだろうか。
「トヨタとの協力関係は長年続いているもので、常に互いにどういう要求があるのか話し合っています。BMWは商用車への参入には興味がないので、我々が考えているのは、まさにBMWの車両に必要な、ユーザーが望む車両に対応できるFCシステムが欲しいということです。そのためには、まだまだ新しい技術が必要です。BMWならではのダイナミックな走りを可能にするもの、ですね。もちろん、商用車とオーバーラップする部分もあります。『iX5 Hydrogen』ではトヨタとともに経験値を蓄積できました。BMWのダイナミックな走りを実現することと高い牽引能力。iX5 Hydrogenでは、まずそれを実現できたと考えています」
課題の1つはFCシステムの高出力化
1つの課題として挙げられるのは絶対的なパワーだろう。iX5 Hydrogenの駆動用電気モーターの出力は295kW。しかしながらFCシステムは125kWなので、全開にしてもモーターの力をフルに引き出せない。
そこで駆動用バッテリーを大容量化することで、パワーが必要な時にはFCシステムの電力に加えてバッテリーからの170kWという大電力も同時に用いるというソリューションが用いられた。次期型に求められるのは、FCシステム単体でも高出力を発揮できることだろう。それは可能だろうか?
「もちろんです(笑)」
あえての問いに、マーティン氏は笑顔で、そして力強く頷いた。言うまでもなく高出力化はBMWだけでなくトヨタも求めるところだろう。この辺りの狙いは共有できているはずだ。
ちなみに2023年に実証実験のため限定導入されたBWM iX5 Hydrogenは、トヨタからFCセルの供給を受けつつ、そのセルを組み合わせたスタックをはじめとするシステム全体をBMWが開発したものだった。今後はどういうかたちを採るのだろうか。
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