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読む前から気が重い「文章による企画書」の弱点 しつこく説得されることへの「拒否反応」もある

東洋経済オンライン / 2024年12月24日 16時30分

より「説得力のある企画書」を書き上げる方法を解説します(写真:kotoru/PIXTA)

本来、読んでもらう相手の承認、賛同を得るために作成しているはずの企画書が、内容を伝えようと、丁寧に書けば書くほど伝わらなくなってしまう――。そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

せっかく力を入れた企画書がうまく機能しない理由と、それを改善するために取り入れたい「図解」の考え方について、多摩大学名誉教授・久恒啓一氏の著書『仕事ができる人になる 図解の技術 大全』から、一部を抜粋・編集して解説します。

新たなアイデアを生み出す「融合」と「包含」

ビジネスの世界では、企画書を書く必要に迫られる人も多いと思いますが、図はよい企画を考えるのに役立ち、また説得力のある企画書を書き上げるという面でも大変有効です。

【図】学生たちの取り組みから生まれた「新・杜の都構想」

企画を考える場合には、こんな方法があります。例を挙げてみましょう。

まず、「現状の問題点」「現状で利用できる人材や資源、ツール」「求められている成果」といったものを、最初はランダムで結構ですから、思いつくままに紙に書き込んでいきます。

ある程度キーワードが出揃ったら、今度はそれらのキーワードをマルで囲み、関連性のあるものを線で結んでいきます。また、共通性のあるものはまとめてグループ化してしまいます。最初は相当に錯綜しているかもしれませんが、何度か図を描き直していると、かなり整理されてまとまりのある関係性が見えてくると思います。

そうした図でも現状と理想の間には当然、乖離がありますから、線でうまくつながらないところが出てきます。そして、その線でつながらない部分が課題であり、企画の出発点になります。「なぜ乖離が生じているのか」「その乖離を解決するためには何が必要でどうすればいいのか」ということが見えてくるのです。

アイデアというのは、異質のものが「融合」したときに出ることが多いもの。マルが重なり合った部分について「ここは何を意味しているのだろう」と考えていくと、新たな発想が生まれてくることがあります。異質なものが交わった部分を考えていくと、いろいろなアイデアが浮かんでくるはずです。

「融合」とともにもう1つの大事な概念は「包含」です。私が航空会社にいたとき、社内では「安全とサービス」を標語として掲げていました。しかし、これは、本来、別々の概念をつなぎ合わせただけの標語でした。

整備と運航などのオペレーションラインの提供する「安全」と、空港、営業、客室などのカスタマーラインが提供する「サービス」を、「と」という言葉でつないでいたのです。これら2つを「安心」というキーワードで包含し、全部門の力を結集しようという意味で「大いなる」をつけて「大いなる安心」というサービス理念を作り出したことがあります。

仙台で企画した「新・杜の都構想」

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