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読む前から気が重い「文章による企画書」の弱点 しつこく説得されることへの「拒否反応」もある

東洋経済オンライン / 2024年12月24日 16時30分

私が奉職した宮城大学は1992年に開学のためのプロジェクトチームが結成されました。以降、原野を切り拓き、「美しい公園のなかにきれいな湖があり、そのほとりに巨大な円形のリゾートホテルが建っている」というイメージで建築が進められ、それを実現しています。そして、事業構想学部という全国初の名称の学部と、看護学部との2つの学部での出発となり、1997年4月に開学しました。

図解という武器を使って地域活性化に挑んだ例として、2003年3月卒業の私のゼミ生が取り組んだ、2001年の仙台市長選に関わる取り組みの図解を紹介したいと思います。

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

学生たちは図解を使ったディスカッションを重ね、数か月間かけて「新・杜の都構想」という提言書を完成させ、選挙戦のさなか市長選の各候補者に提示しました。仙台開府400年、そして21世紀の幕開けの年に行われる市長選にあたって、次の400年を見通したまちづくりの議論があまりにも少ないという問題意識からの出発でした。

報告書では「学都・仙台」「商都・仙台」「楽都・仙台」という3つのキーワードに基づき、具体的な提言を行いました。

・仙台は学都と呼ばれて久しいが、これを学問の都ではなく、学生の都として位置づけ、地域活性化の資源として活用する。

・仙台は昔から商人はいたが、商業は発達してこなかったのではないか。商業を中核に据えて、中心市街地の活性化をはかるべきである。

・また仙台は住みやすい「癒しの街」というイメージがある。もっと楽しい街にしたい。

若者の音楽の領域では全国でも有数の活発な街でもあり、音楽にあふれた楽しい街を目標とすべきだ。

そのために、「現代の青葉城」の構築を提案する。仙台の特徴の1つは駅前のペデストリアン・デッキの存在だ。これを拡張して日本一の駅前広場を創り出す。

そこでは、音楽、絵画、大道芸、政治ショー、物品販売など、さまざまな活動を誘致し、季節感あふれた演出をして、百万都市・仙台にふさわしい玄関とする。

建設は民間の資金とノウハウを活用し、広場の運用は若者主体の特定非営利団体(NPO)にまかせ東北と全国から集まった人々をスムーズに商店街に流し経済を活性化させるなど、夢は大きく膨らんでくる。

若者のアイデアは素晴らしい。大人では考えつかない発想を持っていると実感したプロジェクトでした。

すべての仕事に「企画」がある

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