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長崎の「試合がない日も1万人」スタジアムの凄さ ジャパネット渾身のサッカー場だけじゃない"街"

東洋経済オンライン / 2024年12月24日 12時0分

このスタジアムは、サッカーの試合日には「V・ファーレン長崎の聖地」、そうでない日は「観光地」「ワーキングスペースがわり」「友達と過ごす場所」など、思い思いに時間を過ごす場所として、すっかり根付いているようだ。

長崎グルメが楽しめるフードコートも

そして、スタジアムを取り囲むように建てられた「サウス」(南棟)、「ノース」(北棟)「スタジアムシティホテル長崎」の低層階には約40店舗の飲食店があり、一大フードコートを形成している。

観光客はちゃんぽんの老舗「老李」(ラオリー)、佐世保バーガー「Stamina本舗 Kaya」など長崎の名物料理を堪能し、地元の方は長崎県初出店の「博多一幸社(豚骨ラーメン)」「マリオンクレープ」などを「これ博多で食べたことある!」「東京で売ってるヤツ!」と、興味津々でオーダーしている。

またグルメ以外にも「スノーピーク」「PUMA」「ニューバランス」などのショップがあり、ぶらりと眺めているだけでも飽きない。現地で見た限り、スタジアムの座席やコンコースに設置されたテーブルは、他にはまずない「サッカー場を一望できる巨大イートイン」や「ショッピング中の休憩スペース」として活用されているようだ。

こうして見ると、試合がない日のスタジアムや商業施設は、郊外の巨大ショッピングモールのようなまったりとした雰囲気がある。かつ、FIFA(国際サッカー連盟)が推奨する105m×68mの天然芝ピッチには太陽光が降り注ぎ、外周の商業施設に太陽光と開放感を与える「吹き抜け」(複数フロアにまたがる空間)のような役割を果たしている。

スタジアムがモールの「吹き抜け」の役割を果たしている

商業施設にとって、吹き抜け(スタジアム)は「空間を中心とした回遊行動」を上手く引き起こすアイテムでもある。来客がピーススタジアムのまわりをぶらぶら回遊すると、通販でおなじみのジャパネットHDが手掛けた施設だけあって、マーケティングでいう「非計画購買(衝動買い)」を誘発するグルメやショップが各エリアにあり、ついつい財布の紐を緩めてしまう……という仕掛けが、現地で見た感じではしっかりと発動しているようだ。

長崎スタジアムシティは「試合がない日も2~3時間程度滞在」するような方が多いそうで、ピーススタジアムは良い具合に「回遊の発生・滞留時間向上=滞在で消費する単価の向上」にも貢献している。

ただ、この吹き抜け(スタジアム)は、各地のイオンモール・ららぽーとなどでよく見る吹き抜けよりは巨大で用途も少ない。しかしそこは、週末にサッカースタジアムとして活用できるので、良しとしよう。

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