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長崎の「試合がない日も1万人」スタジアムの凄さ ジャパネット渾身のサッカー場だけじゃない"街"

東洋経済オンライン / 2024年12月24日 12時0分

なお、スタジアムに商業施設を併設し、試合がない日も収益を稼ぐ手法は、プロ野球・北海道日本ハムファイターズの本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」と同様だ。しかしゲーム非開催日のデータで比べると、エスコンフィールドの「平日4500人、休日1万人、観光客メイン」に対して、長崎は「平日でも1万人程度、県内の方が6~7割程度」とのこと。

敷地内にオフィスや学習塾などがあることを差し引いても、長崎スタジアムシティがとった「地元(長崎県)の方々にも来てもらう」施策が順調に受け入れられていることがうかがえる。

ピーススタジアムはサッカーの観戦環境も、抜群に良い。

最大のポイントは、広範囲にわたってピッチと座席の間隔がたったの5mとなっている点だ。Jリーグ機構が定める「ピッチの外側にそれぞれ5m以上の予備エリアを設ける」という規定ギリギリで作られており、最前列の「プレイヤーズ・スイート」席に至っては壁すらなく、普通にボールが飛んでくる。

この席からは監督が出す指示、選手の息遣いやアイコンタクト、飛び散る汗まで……聞こえたり、見えたりする観戦の臨場感が、他とまったく違うという。また、入場料がお手頃な2階席、3階席の後部からもピッチ全体を見渡せるようになっており、大体どの席から見ても、眺めは壮観だ。

アクセスも大幅に改善

入場してから座席へたどり着くまでのコンコースも、子供を連れた家族が手を繋いで歩ける程度には広い。

また座席に持ち込むスタジアムグルメも、フードコートや敷地内のスーパーなど、十分すぎるほど選択肢が豊富だ。

何よりこの場所は「新幹線駅から800m+路面電車・バスが目の前に1日1500本以上停車」という絶好の立地にあり、これまでの本拠地「トランスコスモススタジアム長崎」(島原鉄道・本諫早駅 徒歩16分)と比べると、抜群にアクセスが良い。

ピーススタジアムが完成した今、残された最大の課題は「V・ファーレン長崎」の「J1昇格」だろう。

2024年のリーグ戦はJ2(J1の下部リーグ)20チーム中、2チームが自動的にJ1に昇格できるところを、惜しくも3位で終えた(6月頃には首位だったのに!)。その後3~6位チームのトーナメント制で残り1枠の昇格を競うプレーオフで敗れたため、今年も昇格は叶わなかった。

JリーグはJ1とJ2でスポンサー収入や入場料収入などがまったく違ってくるため、まず昇格を目指さなければいけない。2023年のV・ファーレン長崎と、J1平均の経営情報を比較してみても、収益性の違いは顕著だ。

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