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ホンダの「救済統合」否定で日産が問われる覚悟 チラつくホンハイの影、ルノーが握る「決定権」

東洋経済オンライン / 2024年12月25日 7時20分

会見後の写真撮影は握手も笑顔もなし。各社長は硬い表情で直立姿勢だった(撮影:今井康一)

協業から経営統合へ――大きな一歩を踏み出した。

【写真】カルロス・ゴーン日産元会長は経営統合に否定的な見解を示した

12月23日、ホンダと日産自動車は経営統合に向けた協議を開始することで基本合意した。順調に行けば2026年8月に持ち株会社の下に両社が入る。日産が筆頭株主の三菱自動車も2025年1月末までに経営統合への合流について判断する。

2社の販売台数を合計すると年約740万台。三菱自も加われば約820万台で、トヨタ自動車、独フォルクスワーゲンに次ぐ世界3位の自動車グループとなる。

規模のメリットを生かし、車両プラットフォームの共通化や電動化投資の負担抑制、購買機能の統合などシナジー効果を追求する。中国のBYDやアメリカのテスラなど新興勢力に対抗する。それぞれのブランドは存続させる。

日産の救済ではない

もっとも、あくまでも統合協議開始を正式に決めたにすぎない。23日の記者会見の場で、ホンダの三部敏宏社長は「(日産の)救済ではない」「日産とホンダが自立した会社として成り立たなければ、経営統合は成就しない」と、何度も留保をつけた。

ホンダが慎重になるのも無理はない。目下、日産は北米など主要市場での販売苦戦により業績が悪化。2024年4~9月期決算は営業利益が前年同期比9割減、自動車事業のフリーキャッシュフローは4483億円のマイナスに転落した。

会見に先立つ12月18日に経営統合が報じられると、日産の株価が23%のストップ高となる一方、ホンダの株価は3%安と下落した。投資家は統合を日産救済と捉え、ホンダの財務悪化リスクを懸念したのだ。

市場の厳しい反応を受け、ホンダは奇襲に出た。日産との統合協議入りを明らかにすると同時に発行済み株式の最大23.7%、1兆1000億円もの自己株買いを公表した。「十分やっていけるという自信の表れと受け取ってほしい」。三部社長はそう会見で語った。

両社は経営統合による将来的なシナジー効果を1兆円以上創出し、営業利益を3兆円とする目標と、統合のスタート時点で2社合計の営業利益を2兆円程度とする計画を示した。

ホンダの今期の営業利益計画は1.4兆円強。これを大きく伸ばすのは難しく、横ばい程度でみている。営業利益1500億円計画の日産を、5000億円超に回復させるシナリオだ。

そもそも基本合意書には「(日産の)ターンアラウンド(再建のための事業構造改革)の取り組みが着実に実行されることを前提に」とある。日産は生産能力の2割削減や9000人リストラなどの構造改革を2024年11月に公表済み。このうち明らかにしているのは北米やタイでの人員削減など一部にとどまる。

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