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「伝説のバンドマン」意外すぎる"もう1つの職業" 歌舞伎町に現れた「ド派手なピンクの生物」の正体

東洋経済オンライン / 2024年12月26日 9時0分

そして、ぴぱんくぅのお披露目会が開かれた。場所はKENZIさんが経営する歌舞伎町のバー。意気込んでぴぱんくぅに入ったKENZIさんだったが、夏だったこともあり、着ぐるみの中は予想以上に暑い。当時はまだ、冷却スプレーをかける、小型扇風機を使う、などは思いつかなかった。トイレに行くふりをして、裏で汗を拭いていると、ハプニングが起こった。

「(着ぐるみの)頭を取って汗を拭いていたんですよ。そうしたら頭が落ちて、会場に転がっていって、みんなが『キャー!』って。それがぴぱんくぅのスタートでした(笑)」

着ぐるみに入ってみないとわからないことはほかにもあった。クラウドファンディングのリターンで、「ぴぱんくぅとデートプラン」に申し込んでくれた女の子と、手をつないで新宿ゴールデン街に行ったときのこと。

着ぐるみの頭は直径80センチと大きく、人ごみを通れずに引き返すことになってしまった。このときの経験から、プロレスのマスク職人にぴぱんくぅのマスクを制作してもらい、時と場合によってはそれを被って登場することにしたのだった。

そんなぴぱんくぅが歌舞伎町でゴミ拾い活動を始めたのは、2023年12月。その背景には、訪日客やトー横に集まる若者が増え、目に見えてゴミが増えたのがきっかけだとKENZIさんは話す。

街が汚れていくのを見過ごせなかった

「若い子らがコンビニでカップラーメンを買って、食べかけをその辺に捨てるんです。チューハイの空き缶、野菜ジュースやチキンのゴミ、空の錠剤の容器も多いです。外国人のなかには、空き瓶をその辺に転がす人もいる。ネズミの量も半端なくて、あっちこっちウロチョロしています」

音楽活動のかたわら、KENZIさんがバーを開いたのは2005年。ライブの打ち上げや、音楽好きが交流できる場所を作りたい、という思いからだった。以来、20年近くにわたって、夜は歌舞伎町で過ごしている。

そんなKENZIさんだからこそ、街が汚れていくのは見過ごせなかったのだ。どうせなら、誕生したばかりのキャラクターでゴミ拾いをすることにした。

そして当日。ぴぱんくぅは(設定上)しゃべれず、視界も狭い。何が起こるかもわからないので、数名のスタッフが同行し、KENZIさんことぴぱんくぅは歌舞伎町へ。冒頭で紹介したように、一帯はたちまちテーマパークのようになったのだが、この街のお客さんは残念ながら礼儀正しい人ばかりではない。

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