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「伝説のバンドマン」意外すぎる"もう1つの職業" 歌舞伎町に現れた「ド派手なピンクの生物」の正体

東洋経済オンライン / 2024年12月26日 9時0分

女の子が「何だ、お前!」と近づいてきたかと思ったら、棒で頭をひっぱたかれた。尻がもぞもぞするので振り向くと、子どもが尻尾を取り外そうとしていた。大柄な外国人には、お姫様抱っこをされた。一番驚いたのは、誰かにいきなりタックルされ、ふっ飛ばされたことだった。

「あのときはむちゃくちゃ腹立ちました。(着ぐるみの)頭を取って、追いかけ回してやろうかと思いましたもん、本当に(苦笑)」

それでも約30分間かけて歌舞伎町を一周し、ゴミ拾いを行った。同行した女性スタッフの1人は、「怖いからもう行きたくないです」と泣き出しそうだったが、KENZIさんはまったく逆の思いだったという。というのも、昔から刺激のあることが大好きな性格。初めてのゴミ拾いも、いら立つこともあったが、楽しさのほうが圧倒的に大きかった。

「(テレビドラマ『がんばれ!!ロボコン』の)ロボコンっていうキャラクターがいるんです。失敗ばかりしてるのですが、すごく人間味があって、大好きで。ロボコンを見てると、誰だって完璧じゃない、失敗してもいいんだって思えて、夢が広がっていくんですよね。ぴぱんくぅも、うまくいかないことがあっても、『あのピンクのやつ、また来てる』って言われるくらい通ってやろうと思います」

街に飛び出すことで、人々に癒やしを与えていきたい

以来、月1~2回のペースでゴミ拾いをするうちに、ぴぱんくぅと遭遇した人がSNSに上げたことなどもあって、少しずつ注目されるようになった。ユニークな取り組みだと取材も受けた。

またゴミ拾いの回数を重ねるにつれ、人々との適度な距離の取り方や立ち回り方をKENZIさんもスタッフもつかんできたため、手荒い歓迎を受けることも減っていった(怖がっていた女性スタッフも変わらず同行してくれている)。

うれしかったのは、とKENZIさん。「タンクトップでめちゃくちゃ入れ墨をしてる人が、『ピカチュウの進化系だ!』って言ってくれたんです。この人わかってるな、よいこと言うなって思いました(笑)」と、満足そうに振り返る。

今後もゴミ拾いを続けていくのはもちろんだが、歌舞伎町の住人たちともっと深い付き合いをするなど、活動内容も進化させていきたいとKENZIさんは話す。

「トー横には寂しい子もいるので、(腹を割ってとことん話せるように)路上であぐらをかいて向き合って、相談に乗るのもいいかなと思ってます。ぴぱんくぅはしゃべれないから、スタッフに通訳してもらおうとか、いろいろ考えてるんです。まずは覚えてもらわないといけないので、ステッカーと名刺を配ろうかな、とかね」

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