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芸人が「日本一のごみ清掃員」になって見た"世界" 芸人の仕事もゴミ清掃も大切、全部が僕の人生

東洋経済オンライン / 2024年12月26日 10時0分

マシンガンズの滝沢秀一さん(写真左)は、自分は何者でもないと自覚し、「日本一のゴミ清掃員になろう」と意識の変革をしたと話す。右は相方の西堀亮さん(写真:『もう諦めた でも辞めない』より)

「THE SECOND 〜漫才トーナメント〜2023」で準優勝を果たしたお笑いコンビ・マシンガンズ。コンビを結成してから25年後の栄光でした。ゴミの専門家として活躍する滝沢秀一さん、そして役者として多数ドラマに出演する西堀亮さん。芸人として脚光を浴びるまでの道のりは長かったものの、「『這いあがろう』なんていう気はない」という2人。

副業としてゴミ清掃員の仕事を始め、いまや専門家として引っ張りだこの滝沢さんが、なぜ「ゴミの道を極めよう」と思ったのかを語ります。本稿は、『もう諦めた でも辞めない』より一部抜粋・編集のうえ、お届けします。

サンドウィッチマンを見て「僕は座るところがない」

ある時『アメトーーク!』を見ていたら、サンドウィッチマンが出ていたんですけど、司会者の位置から遠い席に座っていたんですよ。2列目の後ろのほうで、周りもすごいメンバーばかり。『M-1』チャンピオンでもあそこなら、何者でもない僕は「座るところがないな」と思ったんです。

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そこで改めて、「これはやっぱり俺は無理そうだ」って。サンドウィッチマンとはそれほど接点はなかったんですけど、大体同期なんです。トップで頑張っているサンドがあの位置なのか……って、愕然としました。

「売れてバラエティで活躍するなんてことは今後ないな」と思いながらゴミ清掃をやり続けるのは、なかなかに苦痛なわけで。お笑いの希望もない、やりたい仕事でもないっていう。もう、心を保つのが大変なんです。

そこで、今やっていることに集中するしかないと思ったんですよね。自分が今やっている目の前のことって何だろうと考えたら、それはゴミ清掃。サンドウィッチマンが『M-1』で日本一の漫才師になったんなら、じゃあ僕はもう、日本一のゴミ清掃員になろうかなって。意識の変革ですが、そう考えないとツラくて生きていけなかったです。

別に大会があるわけでもないから、「日本一のゴミ清掃員ってなんだ?」というところから始めましたが、そこからゴミの見え方が変わってきて、仕事に取り組む姿勢も変わったんですよね。分別してないものを見て腹を立てるって、日本一のゴミ清掃員じゃないなと思って。

分別していないのは、わざとなのか、ルールを知らないからなのか。それも、だんだん分かるようになってきて。ペットボトルにシャンプーの空き容器が入っていたとして、これはリサイクルする気が最初からないのか、それとも知識がないだけなのか。リサイクルする気がない人に何かを言っても、無理なんです。だけど、知らないだけなら、教えてあげたらルール通りにやってくれる可能性がある。

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