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認知症予防につながる「いつもの食事」のヒント 卵や肉、魚、発酵食品の食べ方と選び方

東洋経済オンライン / 2024年12月27日 7時0分

<刺身で食べるのがおすすめ>

EPAやDHAを効率よくとるには刺身で食べるといいでしょう。焼いたり、揚げたりするとせっかくのいい油が調理中に失われてしまいます。煮魚は味つけに砂糖が使われるのであまりおすすめしません。

脳や血管にいいとわかっていても、鮮度が落ちやすく、調理の手間がかかる魚を購入することに躊躇(ちゅうちょ)する人もいるようです。

そんな場合は缶詰を活用しましょう。缶詰は脂がのった時期に収穫して加工しているので、EPAやDHAがより多く含まれています。保存も長期間できるので、常備しておくと便利です。

白身魚ではありますが、EPAやDHAが豊富でおすすめなのが鮭です。アルツハイマー病の患者さんで、不足していることが多いビタミンDも豊富です。身の赤い色素には強力な抗酸化作用があります。

日本食は「発酵食品の宝庫」

毎日食べたい必須の食材:発酵食品

微生物のパワーで腸内環境を整える

●腸内環境と脳は関係が深い

●腸内の善玉菌を元気にする発酵食品を積極的に食べよう

●調味料、漬け物、納豆などが代表

発酵食品とは微生物が食品のタンパク質やでんぷんを分解して、別のものにつくりかえた食品の総称です。みそのこうじ菌、漬け物の乳酸菌、納豆菌など、体によい働きをする微生物が発酵食品には含まれています。

日本食は発酵食品の宝庫です。その代表はみそ、しょうゆ、みりん、塩こうじ、酢、酒かす、甘酒などの調味料です。これらは1回に使う量は少量でも、毎食のように使っていれば1日の摂取量は多くなります。

キムチやぬか漬けなどの漬け物も発酵食品です。どちらも、腸内の善玉菌を増やす乳酸菌が豊富で、腸内環境の改善に役立ちます。

乳酸菌はヨーグルトやチーズなど乳製品からとるイメージがありますが、日本人は乳製品をうまく消化できない体質の人が少なからずいます。体質に合わないものを、無理に食べる必要はありません。日本古来の発酵食品を活用しましょう。

市販のみそやしょうゆ、ぬか漬けには、大量生産のため、あまり発酵していないものもあります。質のいいものをとりたいのであれば、手作りがおすすめです。館林の介護付き有料老人ホームでは、みそやしょうゆ、ぬか漬けは手作りしています。

もうひとつ、毎日食べたい発酵食品が納豆です。納豆は納豆菌が大豆を発酵させた食べ物です。発酵させることで、カルシウムやビタミンB2の量が増え、血栓を溶かすナットウキナーゼという酵素が発生します。

良質なタンパク質も豊富で、動脈硬化や認知症の予防には最適の食材です。1日1パックは食べましょう。

日本食には、さまざまな発酵食品があります。毎日の食事に取り入れましょう。

白澤 卓二:医学博士、白澤抗加齢医学研究所所長、お茶の水健康長寿クリニック院長

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