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禅が教える「居場所」と「孤独」のほどよいバランス 「つながるべき」か「つながらないべき」かの基準

東洋経済オンライン / 2024年12月27日 10時50分

多くの人が必要としているのは、自分の「居場所」ではないでしょうか(写真:zon/PIXTA)

あれもこれもと心配ごとが多すぎて、身動きがとれなくなっているのが現代人。どうしたら、不安に囚われることなく、「今、この瞬間」を全力で生きることができるのでしょう。

新著『考えすぎないコツ』では、禅僧であり世界的な庭園デザイナーでもある枡野俊明さんが、「頭をからっぽにして、心を無の状態にする」ためのヒントを解きます。

本稿では、同書から一部を抜粋してお届けします。

人は本能的に群れる生き物

人は群れる生き物です。

【写真でわかる】不安を「大きくしない」人が実践している簡単なコツ

SNSの登場をまつまでもなく、人は人と繋がり、集団に所属することで仲間をつくり、安心を得て暮らしてきました。

そしてまた、「孤独」を寂しいもの、避けるべきものだとする気持ちも、群れをつくる理由のひとつでしょう。

ただ、禅においては孤独=悪いものとは考えられていません。

後で詳しく触れますが、自分と向き合い、自分の生き方を見つけるには、一人静かに過ごす孤独が絶対に必要だからです。

それに、群れといっても「どんな群れでもいい」というわけにはいきません。

特に、多くの人が必要としているのは、自分の「居場所」ではないでしょうか。

居場所。そう聞いて、あなたが思い浮かべるものは何ですか。

ここでいう居場所とは、身体が存在している場所というより、心の「拠り所」のことです。

安心してありのままの自分をさらけだすことができ、またそんな自分が許され、受け入れられていると思える空間や、人間関係。そんなところでしょう。

1日の大半を過ごす家庭や職場が居場所であるなら、それに越したことはありません。しかし、現実はどうでしょうか。

「仕事にかかりきりで、家庭を顧みなかった。今では家のなかで孤立している」といった悲しい話を耳にすることもあります。

職場にいけば、数字を求められるプレッシャーにさらされますし、上司やライバルたちの視線だって気になります。

自分の居場所は家庭と職場だけ?

こうして、どこにいても「ありのままの自分」になれる時間を持てないとなると、心は重たくなるばかり。

誰にも打ち明けられないでいる思いの丈を、吐き出したい。

そんなとき、人は「自分の居場所がほしい」と望むのです。

とはいいながら、居場所をつくるというと、どうしても「家庭か、職場か」になってしまうのは、困ったものです。

家庭と職場を往復する生活に慣れ切り、それ以外の場所との接点が、薄くなりがちです。

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