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Googleに独禁法違反、Chromeの売却も視野に アプリ選択肢や検索環境に影響の可能性

東洋経済オンライン / 2024年12月27日 9時30分

公正取引委員会によるGoogleへの調査としては、2022年にGoogleが検索連動型広告技術の供給を巡ってヤフージャパンの広告ビジネス事業を妨害していたことが、独占禁止法違反にあたる疑いがあるとした件がある。

この例では、ヤフージャパンは2010年にGoogleの検索連動型広告技術を利用する契約を結んだが、その後Googleはヤフーに検索連動型広告の配信停止を求め、2015年には契約内容を変更、2022年までの7年間にわたり、ヤフーが独自の広告を配信するのを制限した。一連のGoogleの動きにより、ヤフーの広告主やポータルサイトの運営者は広告の配信でGoogleに頼らざるを得ない状況になったという。報道によれば、ヤフー側は反発した場合、必要なGoogleの技術へのアクセスも拒否される可能性を懸念して、Googleの要求に従わざるを得なかったとのことだ。

この件に関して、Googleは公正取引委員会からの指摘を受けると、ほどなくして「確約計画」と呼ばれる是正のための自主的な改善計画を作成・実行してみせることで調査を終えてもらう「確約手続き」を公正取引委員会にもちかけた。

そして、2024年4月には確約計画が適切な内容で実行されていることを公正取引委員会が認定。排除措置命令や課徴金納付命令が下るのを回避した。独禁法違反が認定されなかったため、Googleは株主からの損害賠償請求やイメージダウンによる収益減少のリスクも回避できた。

この確約計画は以後3年間にわたり、ヤフージャパンに対して広告取引事業の機会を制限しないことと、公正取引委員会に定期的に経過を報告することを義務づけている。

今回も、Googleは確約手続きを持ちかけたと一部メディアは伝えている。だが、すでに独禁法違反が認定できるだけの材料が揃い、さらにGoogleが提案した確約計画の内容も不十分と判断されたため、公正取引委員会は確約手続きを受け入れなかった模様だ。

世界的な動き

欧米では、Googleをはじめとする巨大テクノロジー企業に対する、規制当局からの監視の目が厳しくなっている。検索連動型広告の市場規模は1兆円を超えると言われており、日本の公正取引委員会もやはりGoogleなどへの監視を強化している。

ちなみに、アメリカでは2024年8月、司法省がGoogleの検索サービスにおける独占的立場を解消するため起こした反トラスト法(アメリカの独占禁止法)訴訟において、裁判所が司法省の主張を認める判決を下した。

司法省は11月、判決に基づきGoogleの独占的立場を正すため、Chromeブラウザー事業の売却を求める是正措置案を裁判所に提出した。一方、Googleも12月21日に独自の是正対策案を提出している。

タニグチ ムネノリ:ウェブライター

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