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電力市場の相場操縦でJERA「不正の意図はない」 規制当局が認定、JERA幹部「現場把握に課題」

東洋経済オンライン / 2024年12月27日 11時0分

JERAで市場取引業務を所管する野口高史執行役員。相場操縦とされた問題の原因と再発防止策について聞いた(撮影:梅谷秀司)

東京電力ホールディングスおよび中部電力の合弁会社として設立されたJERA(ジェラ)は、日本最大の発電企業だ。日本の発電能力の約3割を保有し、同社の売買注文は卸電力取引市場をはじめとしたさまざまな市場に大きな影響をもたらしている。

同社は2024年11月12日、経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会(以下、電取委)から「相場操縦」をしていたとして電気事業法に基づく業務改善勧告を受けた。そのいきさつは、東洋経済オンラインの2024年12月5日付の記事で詳報した。

今回、JERAで市場取引業務を所管する野口高史執行役員がインタビュー取材に応じ、問題行為の原因や再発防止策について語った。

──電取委によれば、日本卸電力取引所(以下、JEPX)のスポット市場(翌日受け渡しの余剰電力を取引する市場)での取引で、JERAは本来必要とされる売り注文を出しておらず、「適正な電力取引の指針」(以下、取引ガイドライン)で相場操縦に該当する不正な取引をしていたといいます。その期間は遅くとも2019年4月から2023年10月の4年半にも及んでいたと電取委は説明しています。

【写真】野口高史実・JERA執行役員

市場関係者をはじめ、社会の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫びする。取引ツールの不備に起因し4年半にもわたって十分な電力を卸電力市場に供出できていなかった問題は重く受け止めており、再発防止策の徹底に努めるとともに、(問題を見のがさない)社内風土の醸成に努めていきたい。

相場操縦の意図はなかった

なお、当社ではこれまでに社外専門家も起用して今回の事案について社内調査を実施してきた。利益を享受する目的で相場操縦する意図はなかったことを確認している。

──相場操縦をめぐっては、電取委との間で認識に相違があるということでしょうか。

取引ガイドラインでいう相場操縦は、3つの要素から構成されていると考えている。つまり、①卸電力取引市場に対して、②市場相場の変動を目的として、③重大な影響をもたらす取引を行う、または行わない、という3つの要素が成り立つ場合に相場操縦に相当すると規定されていると理解している。

今回の最大の焦点は②の「目的」のところだ。社内調査では、市場相場を変動させることを目的として今回の行為があったわけではないことを確認している。

──しかし、電取委は3つの要素を満たすとして相場操縦が行われていたと認定しました。業務改善勧告を不服とせず、その内容を受け入れたのはなぜですか。

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