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輪軸不正や脱線、2024年「鉄道トラブル」事件簿 大事故には至らなくても信頼揺るがす事態に

東洋経済オンライン / 2024年12月27日 6時30分

東海道新幹線で保守用車が衝突、脱線した現場の復旧作業=2024年7月22日(写真:時事)

北陸新幹線の金沢―敦賀間延伸開業といった話題があった一方で、各地でトラブルも相次いだ2024年の鉄道。乗客に多くの負傷者が出るような大事故はなかったものの、鉄道への信頼を揺るがしかねない出来事が目立った。

【一覧表で振り返る】7月には東海道新幹線で保守用車が衝突・脱線・・・2024年は全国の鉄道事業者でトラブルや事故が目立つ1年だった。

2024年が誕生60周年だった新幹線は、7月に東海道新幹線で保守用車両同士が衝突し脱線、一部区間が終日不通となったほか、9月には東北新幹線で「はやぶさ・こまち」が走行中に分離するという前代未聞のトラブルが発生。また、貨物列車の脱線事故調査から発覚した、車両の走行にかかわる「輪軸」組み立て作業時のデータ改ざんが全国の鉄道で明るみに出た。

トラブルで何度も停まった新幹線

高い安全性と安定運行を誇る新幹線。だが、2024年はその信頼を揺るがすようなトラブルや事故が複数発生した。

【表でわかる】走行中に起きた新幹線「はやぶさ」「こまち」の分離や貨物列車の脱線、輪軸組み立て時のデータ改ざんなど、2024年に発生した鉄道の主なトラブル

東北新幹線では1月23日、上野―大宮間で架線のトラブルが発生。同新幹線の東京―仙台間、上越・北陸新幹線の東京―高崎間が終日不通となった。JR東日本の発表によると、架線の張力を調整する装置の部品が破断して架線が垂れ下がり、そこを列車が通過したことで架線の金具や車両のパンタグラフが損傷、停電したとみられる。

東海道新幹線でも、大規模な運転見合わせを伴う事故が発生した。7月22日未明、豊橋―三河安城間で保守用の車両が別の保守用車両に衝突して脱線。撤去に時間がかかり、浜松―名古屋間は終日不通となった。また、事故ではないものの9月には山陽新幹線で保守用車両が動かなくなり、広島―小倉間が約5時間半不通となるなど、保守作業に関連したトラブルが目立つ。

9月19日には、東北新幹線「はやぶさ」E5系と秋田新幹線「こまち」E6系が走行中に分離するという前代未聞のトラブルが発生した。原因は、連結器を分割させるスイッチ付近に金属片があり、スイッチの端子が短絡したためとみられる。自動でブレーキが作動し列車は両方とも安全に停止したが、時速315kmで走行する新幹線の連結器が外れて分離するというトラブルは利用者に不安感を抱かせた。

脱線や衝突ではないものの、重大な事故にもなりかねないトラブルだったといえるのが、3月6日に発生した山形新幹線「つばさ」のオーバーランだ。郡山駅に到着の際スピードが下がらず、本来の停止位置を約520m行き過ぎて停車した。同駅では2022年にも同様のトラブルが起きている。JRは調査結果で積雪のほか、滑走を検知して車両のブレーキを緩める「滑走制御」により「ブレーキ力の低い状態が長く継続した」ことが原因としている。

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