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笑顔の石破首相が秘める「政権維持戦略」の成否 会期末「不信任案」なら解散・衆参同日選も

東洋経済オンライン / 2024年12月27日 10時0分

(写真:時事)

30年ぶりとなる少数与党での与野党攻防が展開された臨時国会が24日、多数野党の内閣不信任案提出もなく、3日間の会期延長を経て平穏に閉幕した。なんとか「政権危機」を回避した石破茂首相は、過去最大規模の2025年度政府予算案の27日閣議決定を受け、政権発足以来約3カ月間の苦闘を癒やすべく、正月休みで英気を養うことになる。

永田町界隈で取り沙汰された「超短期政権」の“汚名”を逃れた石破首相だが、来年1月24日召集予定の次期通常国会が「最大の正念場」(官邸筋)となる。2025年政局の表舞台となる「宙づり国会」を首尾よく乗り切れるかどうかが、7月20日投開票が想定される次期参院選以降の政権維持の成否を決めることになる。

ただ、そうした厳しい状況にもかかわらず、新年を迎える石破首相には笑顔が目立つ。「熟議の国会で、野党との連携もうまくこなせた」(同)ことへの安堵感からとされるが、「本人は、通常国会でのさらなるリーダーシップ発揮に自信満々」(自民幹部)との見方も出始めている。

その背景には「自民党総裁選や衆院選前の党首討論などで主張した理念、政策を改めて打ち出せば、国民の信頼も回復する」との判断があるとみられる。要するに「『原点回帰』で支持率アップを狙う」(政治ジャーナリスト)という戦略だ。

まずは訪米など年明け「首脳外交」の成否

そこで、予測される2025年の政治日程をみると、石破首相の政権維持戦略を巡る複数の「重要ポイント」が浮かび上がってくる。これらをすべて乗り越えれば、夏以降の「続投」も可能となるが、「一つでも失敗すれば一気に奈落の底に沈む」(同)ことにもなりかねない。

まず、最初のポイントは年明けの「首脳外交シリーズ」(官邸筋)の行方だ。石破首相は24日夕の官邸記者会見で「まだ具体的日程は決まっていない」と語ったが、外務省は「1月上旬にインドネシア・マレーシア歴訪、中下旬には訪米してトランプ次期大統領との首脳会談を実現すべく外交ルートで調整中」(幹部)というのが実態だ。

対面では初となる「石破・トランプ会談」については、当初、政府部内でも「2月中旬か5月連休中に先送りすべきだ」(官邸筋)との慎重論もあったが、トランプ氏からの直接打診も踏まえ、「今後の日米関係を考えたら、とにかく行くしかない」(自民幹部)との声が強まっており、石破首相も「まず首脳外交での政権浮揚に意欲満々」(官邸筋)とされる。ただ、首脳外交でスタートダッシュに成功したとしても、次に控える次期通常国会での与野党攻防乗り切りは「容易ではない」(自民幹部)。

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