「19浪で九州大」心病まずに挑戦し続けられた理由【再配信】 共通一次とセンター20回挑戦、学費工面の日々
東洋経済オンライン / 2024年12月27日 8時0分
性格的にもマイペースで、授業を除く勉強時間は1日1~2時間程度だったと語る山田さん。志望校は、「国公立に進めたらラッキー」と考えて、地元の鹿児島大学を目指していました。
しかし、センター試験の前身である共通一次試験の得点は630/1000点程度。鹿児島大学の農学部畜産学科を受けたものの、落ちてしまいました。
家賃1万5000円の4畳半アパートに住む
現役時は鹿児島大学一本の受験だったため、山田さんは不合格通知を受け取ってから浪人を決断します。その理由については「大学に行きたいという夢はあったため」と語ってくれました。
「兄が東京にいる関係で、地元の予備校よりも、都内の大きな予備校に入りたいと考えた」山田さんは、上京して代々木ゼミナールに入ります。
しかし、この環境の変化が、彼の浪人生活を長引かせる要因となってしまいました。
「亀戸にある、4畳半で家賃1万5000円のアパートに住むようになりました。元々のんびり屋さんだったのですが、東京に出てきて、都会の華やかさに流されてしまいました。現役のときよりは勉強時間は増えて1日2~3時間くらいはしていたはずですが、遊んでしまった時間のほうが長いです」
とはいえ、代ゼミの優秀な講師の指導のおかげで苦手な物理の成績を上げることができ、共通一次は600点台の後半を獲得しました。
母子家庭という経済的な理由から、国公立しか選択肢がなかった山田さんは、この年も前期試験で東京農工大学工学部電気電子工学科のみを受験し、落ちてしまいました。
こうして2浪に突入しますが、この年からは親に頼らないことを決めます。新聞奨学生をしながら、学費を捻出して代々木ゼミナールに通いました。しかし、朝早く起きて、夕方にも夕刊を配るスケジュールは苛烈を極め、勉強に費やす時間がとれなかったようです。
「朝早く起きて新聞を配るので、帰宅して予備校に行くまでの間に寝てしまうんです。それで結局、あまり勉強時間の確保ができませんでした。新聞奨学生をやっていたので、新聞販売店が予備校代を全額出してくれましたし、新聞配達のお給料ももらえるので、それで安心してしまっていたのもよくありませんでしたね」
苦手科目だけの受講に切り替える
2浪・3浪も同じような生活をした結果、毎年少しずつ成績は上がったものの、1年目ほどは上がらなかったようです。
「それでも、浪人生活が長くなればなるほど、上の大学に入らなきゃと思っていたので、2浪目からは東大を志望して、受験し続けていました」
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