アインシュタイン「相対性理論」はなぜ凄いのか? 今こそ知っておきたい"超基本"をやさしく解説
東洋経済オンライン / 2024年12月28日 11時0分
潜在的には、それほどのエネルギーが含まれているのですが、物質を好き勝手にエネルギーに変換できるわけではありません。
特殊な場所でのみ、物質の一部を効率よくエネルギーに変換することができます。それが、太陽をはじめとする恒星です。恒星の中心部では、元素と元素を融合して新しい元素をつくる「核融合反応」という反応が起きています。
新しい元素がつくられるとき、わずかに質量が減ります。このなくなった質量に相当するエネルギーが、恒星の光と熱になっているのです。
太陽や夜空の星のエネルギー源は、「E=mc^2」だったのです。
さらにアインシュタインは、「重力の秘密」も暴きました。相対性理論によると、物体があるとまわりの空間と時間がゆがみます。
じつは、あなたもしっかりと周囲の時空をゆがませているんです。といっても、日常的な物体がまわりの空間と時間に与える影響はごくわずか。物体が重たい(質量が大きい)ほど、空間と時間のゆがみは大きくなります。
その極端なケースが「ブラックホール」です。『「ブラックホール」で"時が止まる"は本当なのか?』でお話ししたように、ブラックホールでは、空間と時間が強烈にゆがむことで、摩訶不思議な出来事が起きていました。
ニュートンvs.アインシュタイン
相対性理論が出てくるまでは、「すべての物体にはお互いに引き寄せ合う重力(引力)が働く」と考えられていました。力の強さは物質の量(質量)に比例します。これをニュートンの「万有引力の法則」といいます。
しかし、アインシュタインの相対性理論によれば、「物体があるとまわりの時空はゆがみ、ゆがんだ時空に物体があると動く」ということが起きています。
そう言われても、いまいちピンときませんよね。
たとえば、地球が太陽のまわりを回る場合、両者の理論ではどう説明されるのか比べてみましょう。
ニュートンの万有引力の法則では、「地球が太陽のまわりを回るのは、太陽の強い重力によって地球が太陽方向に引き寄せられるからだ」と説明されます。
一方、アインシュタインの相対性理論では、「太陽のまわりの時空がゆがんでいて、地球はゆがんだ時空にそって進んでいるだけ。地球はまっすぐ進んでいるつもりでも、空間自体がゆがんでいるので曲がってしまう」と説明されるのです。
「地球が太陽を回る」という同じ出来事でも、説明の仕方がまったく違います。アインシュタインは「重力の正体は、時空のゆがみである」ということを発見したのです。
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