16年ぶり航路復活「ホーバークラフト」進化の実態 静音化や大幅値下げ実現も、残された課題とは
東洋経済オンライン / 2024年12月29日 8時5分
国内の公共交通機関の乗り物としては15年前に“絶滅”した「ホーバークラフト」が、大分で復活されようとしている。
【写真】船の絶滅危惧種「ホーバークラフト」はこんな乗り物!海の上を最高時速80kmで疾走
前編『絶滅危惧船「ホーバークラフト」大分で復活の理由 定期運航は世界で1カ所のみの"爆音"珍乗り物』では、ホーバークラフトが絶滅した経緯や大分で復活が計画されている理由を解説した。
後編となる今回は、「昔と今のホーバークラフトの違い」について検証していこう。結論から言うと「かなり別モノ!」だ。
従来のホーバークラフトは「爆音」
2023年9月、イギリスから1カ月かけて運ばれたホーバークラフトが、大分県大分市・田ノ浦ビーチに上陸した。
【2024年12月29日8時25分追記】初出時、田ノ浦ビーチの所在地について誤りがありました。お詫びして修正致します。
この際に、各地から集まったファンを驚かせたのが、1号機「Baien」の音だ。2009年まで運航されていたホーバークラフト(以下:旧・ホーバー)なら、「ギィィィィィィン!」とあたり一帯に響いていたはずのエンジン音が、船体が200m先に迫っても聞こえない。
筆者が騒音計で計測したところ、おおよそ50デシベル弱。200人程度の人々の歓声があったことを考えると、まったくの許容範囲だ。
前編記事でも触れた通り、かつて世界中で運航されていたホーバークラフトはエンジン音が激しく、大分の旧・ホーバーも例外ではなかった。数人にインタビューを試みたところ、昔を知る方ほど「ホーバー(クラフト)なのに静かだ!」と驚いていたようだ。
当時の大分県庁の担当者様にお話を聞いたところ、静音性の秘密は、船体後部のプロペラにあるという。旧・ホーバーの船体では3枚羽根であったのが、今回の船体では、少し大きめの5枚羽根となっており、回転の速度を落とすことで、動作音・風切音を軽減。揺れや乗り心地も改善しているという。
なお、旧・ホーバー船体を建造した三井造船はすでに事業撤退しているため、今回はイギリス・グリフォンホバーワーク社(以下:グリフォン社)製の船体「12000TD」3隻が就航する。同社のホームページによると、座席での騒音は「75デシベル以下」(地下鉄車内と同程度)とのこと。少なくとも以前のように、客室内での話し声が通らないような爆音と揺れで酔ってしまう可能性は低そうだ。
15年前より大幅値下げ
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