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「かわいい」モードが復活、女性アイドル界のいま あいみょんも夢中!FRUITS ZIPPERの時代性と戦略

東洋経済オンライン / 2024年12月30日 14時0分

衣装もやはりメンバーカラーで色分けされたミニスカートで、手振りダンスと呼ばれる振り付け(元PASSPO☆の槙田紗子によるもの)も面白い。MVの再生回数も1100万回を超えている。

また高嶺のなでしこは、2024年にメジャーデビューした10人組。こちらは、「可愛くてごめん」という楽曲が先行したかたち。

クリエイターユニットのHoneyWorksの手によるもので、そのメディアミックスとしてアニメ『ヒロインたるもの!〜嫌われヒロインと内緒のお仕事〜』のキャラクター・ちゅーたん(CV:早見沙織)が歌ったもの。高嶺のなでしこがそれをカバーし、2023年にリリースした。

「Chu! 可愛くてごめん 生まれてきちゃってごめん」などのサビのフレーズが象徴するように、「かわいい」ことをまったく照れることがないポジティブさが逆に爽快だ。

こちらもTikTokで話題となり、MVの再生回数は1950万回超。オリジナルのアニメキャラクター版に至っては、1.4億回という再生回数を誇る。

FRUITS ZIPPERと併せ、所属事務所も異なるこれら3組が歌う楽曲は、曲名もそうだがとにかく「かわいい」を強調する。

普段女性アイドルにそれほど関心のない人たちからすれば、ほとんど区別がつかないかもしれない。だが事実、そんな「かわいい」女性アイドルたちが、いまトレンドになりつつあるのだ。

「かわいい」の系譜~松田聖子からももちへ

「かわいい」は、昭和の頃からアイドルを形容する常套句でもあった。FRUITS ZIPPERなどを見て、まるで昭和のアイドルがよみがえったかのような思いにとらわれたひともいるはずだ。

そんな“かわいいアイドル”の元祖的存在として、松田聖子を外すわけにはいかない。

1980年デビューの松田聖子は、その伸びやかな歌声と豊かな表現力で「青い珊瑚礁」「夏の扉」「赤いスイートピー」など次々とヒット曲を放ち、一躍女性アイドルのトップの座に躍り出た。女性アイドルの歴史は、松田聖子以前と以後に分けられると言っても過言ではない。

その松田聖子には、「ぶりっ子」という形容もあった。「かわい子ぶりっ子」の短縮形である。同世代の少女や他の女性アイドルもこぞって真似をした「聖子ちゃんカット」の髪型の印象もあったが、話しかたや仕草など一挙一動に反応した世間がそれをネタにしたのが「ぶりっ子」というワードだった。

したがって、そこに込められているのは必ずしもポジティブな意味ではない。だが「かわいい」ことがアイドルの主たる武器であること、そのパワーを広く知らしめたのが松田聖子であることは間違いない。

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