「第九といえば年末」ではない?欧州の意外な反応 ヨーロッパ人が一番に思い浮かべるものとは?
東洋経済オンライン / 2024年12月31日 13時0分
ベートーヴェンの交響曲第九番、いわゆる「第九」が1824年5月7日にウィーンで初演されてから、今年で200年を迎えた。200周年当日には初演の地ウィーンで、リカルド・ムーティ指揮によるウィーンフィルの第九記念コンサートが行われ、話題となった。
世界100カ国以上の現地在住日本人ライターたちの集まり「海外書き人クラブ」の会員である筆者が、第九のヨーロッパにおける位置づけとその背景を紹介する。
初演から今年で200年を迎えた楽曲
ベートーヴェンゆかりの地であるウィーン演劇博物館では、ユネスコ記憶遺産に登録されている第九の手稿が特別公開されるなど、現地では記念の年にふさわしい盛り上がりを見せた。
【写真で見る】第九200周年記念コンサートが行われた、ウィーンフィルの本拠地ウィーン楽友協会
筆者が博物館を訪れた際も、ベートーヴェン本人が第九初稿に書き込んだメモなど、めったに見ることができない貴重な史料を、多くの音楽ファンが間近にのぞき込んでおり、その姿は印象的だった。
日本では年末の象徴とされる第九だが、ベートーヴェンが活躍した音楽の都ウィーンを含むヨーロッパの大部分では、第九は時期を選ばず演奏される。ヨーロッパ人が第九から最も強く連想するのは、年末の風物詩ではない。
まず第九の誕生から見ていきたい。
第九の誕生と初演の興奮
ベートーヴェンが、ドイツの詩人フリードリッヒ・シラーの「歓喜の歌」に出会ったのは、1786年、15歳の時とされている。
ウィーンに活動の拠点を移動したベートーヴェンは、「歓喜の歌」に曲を付ける構想を抱き続け、1817年から9年をかけて第九を完成させた。第一楽章から第三楽章まではオーケストラ演奏のみで、第四楽章が「歓喜の歌」を歌詞として合唱が歌い上げる、最も有名な部分となる。
初演の地は、現ウィーン国立歌劇場の前身となるケルントナート-ア劇場だった。
当時プロのコンサートオーケストラが存在しなかったウィーンで、1回の演奏会のためだけに多数のメンバーを集めるのは至難の業だった。だが、劇場常任オーケストラ、宮廷音楽家からアマチュア演奏家まで、一夜のためにウィーン中から演奏家を集めて実現した。
交響曲とは、従来、オーケストラ演奏のみというのが通例だったが、第九の第四楽章では、交響曲の中に合唱とソロが参加する。
この史上初の試みに、観客は意外性とともに興奮を感じ、割れるような拍手を送った。初演の成功を受け、2週間後にはさらに広い会場である王宮の大レドゥーテンサールにて再演され、その後もロンドンやベルリンなどでの演奏を経て、19世紀の間に世界中で演奏され始めた。
日本での演奏の歴史
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