Google、Android XRで拡張現実の境界を超える AIとXR、ヘッドセットと眼鏡が開く新たな可能性
東洋経済オンライン / 2024年12月31日 7時40分
GoogleのモバイルOS、Androidは世界中のスマートデバイスを動かすソフトウェアだ。ほとんどはスマートフォンで使用されているが、タブレットやスマートウォッチ、テレビ、さらには一部の自動車にも、そのカスタム版が搭載されている。
そして最近、GoogleはさらにAndroidを拡張し、来年発売されるXRヘッドセットおよびスマートグラスという新しいデバイスにも対応する。
GoogleがAndroid XRを発表
GoogleのモバイルOSであるAndroidは、もともとはスマートフォンおよびタブレットを動かすための基本ソフトウェアとして開発された。その後、このOSは同社のスマートウォッチやスマートテレビ、スマートスピーカーなどにも、そのカスタマイズ版が搭載され、2017年には自動車のインフォテインメントシステム向けであるAndroid Automotiveが発表されている。
【写真で見る】Android XRでウェブブラウザーを開いた様子
だがその後は、Androidは対応する分野を拡大していない。その間、世の中ではOpenAIからChatGPTが登場したのをきっかけに、生成AIを利用するAIチャットボットサービスが人気を博し、さらに画像生成AIや音楽生成AI、動画生成AIなどが登場して注目を集めるようになった。
そんななかで、Googleが久しぶりに発表したのが、ヘッドセットやスマートグラス向けOSのAndroid XRだ。Android XRは従来のAndroidをベースとして多くのアプリをそのまま実行できる互換性を保ちつつ、GoogleのAI製品であるGeminiをその中心部に取り込んでいる。GoogleはAndroid XRを「Gemini AI時代のために構築された最初のAndroidプラットフォーム」だと謳う。
Android XRはXRヘッドセット製品または眼鏡型のスマートグラスと呼ばれるジャンルの製品を制御するためのOSだ。XRとは、Extended RealityまたはCross Realityという言葉の略称で、既存のVR(Virtual Reality:仮想現実)とAR(Augmented Reality:拡張現実)の両方の機能を備えるデバイスに用いられるMR(Mixed Reality:複合現実)と同様の意味を持つ。
またGeminiとは、Googleが独自に構築した大規模言語モデル(LLM)を使う生成AIサービス全般のことだ。OpenAIにおけるChatGPTと同じようなものと思っておけばいいだろう。
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